きょう8日からスタートする、ロバート秋山竜次 presents「10周年 クリエイターズ・ファイル 胸やけ大博覧会」in池袋は、秋山曰く「覚悟して来てくれないと、マジでしつこいので、キャベジン、ソルマック…、いや1回キャベツを胃に敷いてきた方がいいんじゃないかなというぐらい、10年分の思いが詰まったイベントです(笑)」。これまでのキャラクターがずらりと並んだ写真を見ると、すべて同一人物がやっているのかと思わされるくらい、どれも見事な出来栄えだが、どのように完成させているのだろうか。
「例えば『犬になりたい』って思いついたとしたら、どうやって犬になるんだってわちゃわちゃし始めるんですよ。ホームセンターにあるものなどを組み合わせてやっていて、メイクさんや衣装さんの連携プレーが半端じゃない(笑)。みんなで、文化祭のように作っています。あとは写真を撮った時に、そういう風に見えそうなものが1枚でも撮れたらこっちのもんです(笑)。19歳の透明感がありすぎて見えなくなるという少女をやったことがあるんですけど、どう考えてもおっさんなんで、カメラマンさんには光の条件とかを駆使してもらって。そうすると、100枚に1回くらい、奇跡的に透明感があるやつが出てくるんですよね。これで『もういけた!』っていう感じです(笑)」
幼少期から、目に見えるものから“妄想”をかきたてていた。
秋山の幼少期トークは止まらない。「ひとつのことで、なんか家庭が見えてきたりとか、あと、教頭先生の車を見たり。なんか教頭先生ってやっぱ教頭先生しか選ばない車を乗ってらっしゃって。セダンの白い…もう教頭先生だなっていう車に乗ってるんすよね。それ、小中高一貫してそうでしたね。正月にはけっこうフロントにしめ縄つける人が多かったですね。
無意識な部分に宿る“笑い”を見つける達人の秋山にとって、一般の人々との交流は大好物だ。「僕らは、面白いことしようって意識してやってるじゃないですか。そうではなくて、天然で面白い人には、勝てないですよね。やっぱり狙ってなんかしようって人じゃないんで、本当に笑っちゃうんですよね。だから、一般の方と絡むのはもう大好きですよね。何か狙ってないですけど、めちゃくちゃ面白い箇所を見つけたら、もう捕まえたくなっちゃう(笑)」。
クリエイターズ・ファイルでの様子や、取材会での秋山の言葉を聞いていると、類まれな妄想力、確かな観察力を生かした“なりきり”、福岡県出身ということもあってか、どこかでタモリを彷彿とさせる。タモリといえば「4ヶ国語麻雀」や「ハナモゲラ語」などの“言葉”を駆使したものも有名だが、秋山も自身のラジオ(BAYFM『ロバート秋山の 俺のメモ帳! on tuesday』)にて、ハード・秋山・ファン(HAF)にしか理解できない「HAF信号」なるものを作り出し、リスナーとともに楽しんでいる。さらに、2014年放送のフジテレビ系『笑っていいとも!』グランドフィナーレにおいて、関根勤がタモリについて次のようなコメントを残していた。
「『いいとも』スタッフとレギュラー全員で、タモさんの別荘でゴルフの大会をやったことがありました。
クリエイターズ・ファイルの精神にもどこか通じる、こういった話などを総合すると、もしかすると「令和のタモリ」は秋山では、いや、んなぁーことはないと頭の中でぐるぐる考えていると、写真撮影の時間に。すると、秋山がおもむろにサングラスを着用した。「これは…」と思ったのもつかの間、秋山がうれしそうに言葉を紡いだ。「これは、スペースカジュアルクリエイターです。なんか、これからの将来で『宇宙に買い付け行ってきました!』みたいな人が出てきそうじゃないですか(笑)」。こちらの邪推などお構いなしに、秋山竜次はこれからも面白さ優先でキャラクターを生み出していく。