ニッポンの社長は、辻皓平とケツによるお笑いコンビ、2013年に結成。『M-1グランプリ』は、2015年、18年、20年、23年に準決勝進出、『キングオブコント』は2020年から5年連続で決勝進出を果たしており、2020年に5位、21年に4位、22年に10位、23年に3位、24年に7位という成績を残した。2021年に「NHK新人お笑い大賞」優勝、22年「第57回上方漫才大賞新人賞」受賞といった受賞歴を誇る。
漫才とコントをやってきた両立してきた自負ゆえ、ORICON NEWSが行ったファイナリストインタビューでは、辻が“心の叫び”を吐露する一幕も。「ずっと、どっちもやってきてもうたんで。まだ、どれも優勝していないので、出なしゃーないというか、やってきてもうた宿命というか。じゃあ、出ようという感じで。チャンスでもありますが、ピンチでもありました(笑)」。そんな自分たちの“強み”は何かと向けると、こんな言葉が返ってきた。
「逆に技術がないところやと思います。技術がないから、小手先では笑かせられない。けっこう、みんなうまいんですよ。でも、僕らは肩もないし技術もないので、それが弱みでもあり、強みでもある」
辻の言葉をもとに、勝負の場に持ってきた「コント」「漫才」の2ネタを見ると、2人だからこそできる「小手先ではない笑い」の強みを全面に押し出し、見事に勝ちきったようにも思える。優勝会見で、辻は「(ファイナリストには)面白い人ばっかり残っているんで、ちょっと勇気あるネタをしないと勝てないなと。だから、もう1回やったら最下位かもしれません。僕たちらしい一番のネタをできたと思います」と声を弾ませた。
一方のケツは「未知の大会で、全員が手探りなところもあったと思うんですけど、漫才とコントと披露できるのは、アピールできる大会やなと思ったので、そこで優勝という結果を残したのでよかったです」と熱弁。優勝賞金1000万円の使い道について、辻は「僕らだけちょっと収入が減っている状況だったので、逆に取らなやばかった」としながらも「NISAに振り込む。リクガメを飼っているんですけど、でっかくなるやつを飼いたいなと。ペットを増やしたい」とニヤリ。新婚のケツは「賞金あることも、あんまり公表してほしくなかった(笑)。
改めて、勝ちきれた原因とコントを先に選んだ理由としては、辻が「僕らはM-1では準決勝たまにいかせてもらって、キングオブコントは決勝いかせてもらっていたので、最初にいい順位もらわないとルール的に厳しいかなと。決勝のメンバーはコント師が多そうだったので、そこで離されるわけにはいけないなと…」と冷静さが光るコメントも。「ロングコートダディが直前で、最後の最後に一番高い点数を取ったので、あぁやるだけやって。これで負けたらしゃーない。普段の寄席みたいな気持ちでできたのは大きいかもしれない。1位通過のまま行っていたら、緊張しちゃったかもしれない」と語る姿はなんとも印象的だった。
漫才とコントを披露することから、相手の出方など“駆け引き”も求められる大会となったが、ケツが「流れとか空気が読めない大会というか。前の方が漫才なのかコントなのかわからない。自分らの中でこれやるぞっていうのを貫かないといけない」と口にしたように、最後は自分たちの“信念”が問われる。辻が、ケツについて「(イジられても)かわいそうに見えない。それがこの人の一番の強みというか。