■異能力×アクション、初挑戦づくしの役どころ
――脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?
まず『DOPE』というタイトルの持つ重たさにひかれて「どういうふうになっていくんだろう」と楽しみにしていました。実際に読んでみると、ドラッグなどのダークなテーマにしっかりと斬り込んでいて、「これは想像力を働かせて演じないといけない」と感じました。さらに、僕が演じる柴原が“鼻が利く”という異能力の持ち主なのですが、「どうやって役作りをすればいいんだろう?」と思いました。
――本作では本格的なアクションシーンにも挑戦されますね。
そうなんです。これまでバスケットボールなどのスポーツはやってきましたが、体一つで戦うという本格的なアクションは初めて。「できるのかな」と不安もありつつ、挑戦できることがすごく楽しみでした。
銃の構え方からパンチの出し方、よけ方、着地する時の足の運びまで、本当に丁寧に教えていただきました。そのおかげで実際のアクション撮影では自信を持って動けているなと感じます。また型をキレイにできることがうれしくて、日常生活でたまに走ることがあるのですが、その途中でシャドーボクシングをすることも(笑)。
■芝居に余裕を持てるように。共演者から刺激をもらう
――高橋さんと中村さんの印象を教えてください。
高橋さんは、キラキラしているアイドルですが、僕と同じ26歳。同い年らしいフランクさがあって好きな漫画を聞き合ったりしています。ちょっと天然な部分もありつつ、頼もしいところもある。そういった“良いアンバランスさ”が魅力的です。
倫也さんとは同じ事務所に所属しているので何度かお会いしたことはあったのですが、ドラマで共演するのは初めて。器用な方という印象でしたが、この撮影現場でさらにその印象が強まりました。おどけている場面もたまに見かけますが、絶対にセリフを間違えないですし、スタッフさんへの気配りも忘れない。“自分の家”のように撮影現場で自然体でいられる姿に、より器用さを感じました。
――撮影現場で刺激を受けたことは?
共演者の皆さんのバラエティに富んだ芝居や会話が本当に刺激的です。
高橋さんの体の使い方もすごくうまくて。倫也さんも同じですが、よける動作の身のこなし方が華麗で、「まねしたいな」と見て学んでいます。
■空気感の違いに最初は驚き
――柴原は特捜課のムードメーカーですが、撮影現場でのご自身は?
「もっと良いお芝居をしたい」という気持ちが強くて、そこに意識がいっているのかもしれませんが、「話したいな」と思いながら、今はまだちょっと遠くから見ている感じです。「面白いことを言わないと」「これを言ったらどう思われるかな」と考え過ぎてしまって、あまり話せなくて…。今はどちらかというと、聞く側に回ることが多いです。
――年上の共演者が多い現場ですが、その空気感にはすぐ慣れましたか?
正直、最初は戸惑いました。『御上先生』(2025年)では高校生役を演じていたので共演者も同世代ばかり。まさに学校生活で話題になるような、かわいらしい内容が多かったんです。一方でお芝居では刺激を受けることばかりで「もっとお芝居を頑張ろう」と思ったところでの『DOPE』。
この現場では、倫也さんを筆頭にいきなり誰かが鼻歌を歌い出したり、大声を出したり、芸人さんのモノマネをしたり(笑)。
■もし異能力を持っていたら話す?隠す?
――柴原は異能力を婚約者・小野亜香里(花柳のぞみ)に打ち明けられていません。どのような心情だと解釈しましたか?
“自分だけ違う”ということを受け入れてもらうのは簡単じゃないと思うんです。そういう違いに対する偏見もあるだろうし、柴原はコンプレックスを抱えているのかもしれないなと。あと単純に、嗅覚が良過ぎるって、汗の臭いなども分かってしまうから(自分も相手も)ちょっと嫌ですよね。
――もし豊田さんが柴原と同じ異能力を持っていたら、打ち明けますか?
家族には話すと思います。でも友達には人間関係を考慮して隠すかも。逆に自慢しちゃうパターンもあり得ますが(笑)。
――豊田さんはどんな異能力が欲しいですか?
目がすごく良くなりたいです。視力が5.0とか、それ以上。月とか遠くの景色を肉眼で見てみたいです。みんなが見られない世界を、自分の目で見られたらいいなと思います。
――第5話の見どころと、読者へのメッセージをお願いします。
第5話では、僕と才木の変装に注目です。突飛な格好で潜入するのですが、特に才木はかなり特捜課メンバーからイジられる見た目で(笑)。笑える要素もある話だと思います。
さらに話数が進むごとに、アクションや異能力だけでなく、“人間ドラマ”としての深みが増していきます。それぞれのキャラクターの謎や背景にも注目して、最後まで楽しんでもらえたらうれしいです。
<