同作は、かつて科捜研のエースとして活躍し“最後の鑑定人”と呼ばれていた主人公・土門誠(藤木)が、科学的アプローチを駆使して難事件を解決に導いていくサイエンス×ミステリー作品。今作は岩井圭也氏の同名小説を映像化した。
藤木演じる主人公・土門誠(どもん・まこと)は、元科捜研のエースで卓越した鑑定技術の持ち主。白石演じる高倉柊子(たかくら・しゅうこ)は、土門鑑定所の事務員も兼任する研究員。心理学の道に進みたいと考えていて土門鑑定所では腰掛けくらいの気持ちで働いており、あわよくば転職しようと考えている。
第5話にゲスト出演する佐野が演じるのは、仮想通貨関連企業の社長・室田誠治(むろた・せいじ)。事故死と断定された女性の死に関わっている容疑をかけられ、自身の薬物使用も疑われている役どころ。
ある日、糸川翠(いとかわ・みどり/池田朱那)という女性の遺体が発見された。現場と遺体の状況から警察は事故死と断定し、他殺の疑いはないと判断していた。しかし翠の素性を知っていた神奈川県警・捜査一課巡査部長の都丸(中沢元紀)は、他殺の可能性が高いとにらむ。というのも2年前、都丸は室田と翠がドラッグパーティーをしていた疑いで事情聴取をしていた。
当時は二人から薬物反応が出ず、証拠も不十分だったことから逮捕できずにいた。
■佐野岳コメント
―― ご自身の役柄をどのように演じましたか?
「今回演じた室田は、金と権力にまみれた、まさに“絵に描いたような成金のクズ”。監督からは“シリーズで一番救いようのない最低の人間でいてほしい”と言われました。ここまで徹底して嫌われる役を演じるのは初めてで、だからこそ、“好かれない覚悟”を持って演じました。彼の言葉や態度に、視聴者の皆さんが心底ムカついてくれたら、役者としては本望です。自分でも不快になるほど室田を突き詰めていたので、終わったときにはちょっとした脱力感と達成感がありました(笑)」
―― 佐野さんの思う『最後の鑑定人』の見どころを教えてください。
「この作品の魅力は、表面的には事件の真相を科学で解き明かす“鑑定推理ドラマ”でありながら、その裏で人間の弱さや業が静かに描かれているところです。室田という人物は、その“業”を体現する存在。