同作は6年前に大阪で初演され、その後東京での公演が計画されながらも、コロナ禍により中止となっていた。再び脚光を浴びる笠置シヅ子さんの存在とともに、ようやく上演が実現。主演の神野は「人生の中でもう一度取り組んでみたいと6年間思い続けてきました」と語り、「“使命”という言葉が作中で何度も出てくるが、今回この作品が果たす役割を感じながらやっている」と胸の内を明かした。
シヅ子の“妹分”お雪を演じる鈴木は、神野とともに笠置さんの墓参りに訪れたエピソードを披露。「『応援してください』とお願いしてきました。きっと見ていただけていると思うので、心を込めてお芝居させていただけたら」と感慨を込めて語った。
シヅ子の才能を見出す作曲家・服部良一役の加藤は今回が初参加。「白井さんの演出が楽しくて、たくさん火を点けてもらっている。この夏、この座組で全力を尽くしたい」と意気込む。
恋人・吉本穎右と弟・八郎を演じる福本は「笠置シヅ子さんのパワフルな曲に負けないように、神野さんを中心にみんなで盛り上げて楽しい舞台にしたい」と笑顔で語った。
さらに、レコード会社のマネージャーを演じる九条は、「老若男女が楽しめる炊き込みご飯のような舞台。ミュージシャン、俳優、芸人という“アベンジャーズ”が集まって1つの舞台を作っている」と会場を和ませた。
演出の白井は、俳優陣について「面白い方々が多くて、いろんな意味で楽しんでいる。いいところに行ったと思ったら、翌日にはまた戻っている(笑)」と冗談交じりにコメントし、会場は笑いに包まれた。「こういう楽しい俳優の皆さんがいて、小原さんを中心にミュージシャンが支えてくれている。ホットな作品に関われてありがたい」と、座組の良好な雰囲気を語った。
今月25日まで同劇場で上演される。