終戦80年の夏に送る、実在した“総力戦研究所”に着想を得た本作。
真珠湾攻撃の8か月前の1941年4月、首相直属の“総力戦研究所”に日本中から集められた若きエリートたち。模擬内閣を作り、出身官庁や企業から機密情報を集め、日本がアメリカと戦った場合のあらゆる可能性をシミュレートしていく。そして“圧倒的な敗北”の結論を手にした若者たちは、開戦へ突き進む軍や本物の内閣と対峙する。
会見に登場した池松は「戦争を語り続けてきたNHKで、戦後80年という特別な年に、この作品をみんなで発表できることをとても光栄に思っています。個人的には、この時代にどうしても語るべきドラマ、そしてこれからの時代に残すべきドラマだと自信を持っています」と力強く語る。
宇治田と同じ総力戦研究所の研究員・樺島茂雄を演じた仲野は「みんなで80年前に起こった戦争について本当に誠実に向き合いながらつくった作品になっています。我々があの頃の戦争にどういうふうに思いをはせるのかという意味では、とても意義のある作品になっていると思います」と呼びかける。そして同じく研究員・高城源一を演じた中村も「劇中でも漂っている空気感というのはきっと今の現代社会にも通じるところがあると思いますし、共感できる部分もあると思います」と述べた。
作品のテーマについては、「脚本を受け取って、これまでの戦争映画とはまるで違うなと思いました」と話した池松。「終戦前夜を描いた作品は有名なものがありますが、開戦前夜、1941年を描くのには、これだけ時間がかかってしまったのかなと。この事実は終戦後、国家機密として伏せられていたもので、80年という時間をかけてようやく語られるタイミングが来た。
そして最後に池松は「戦争ドラマでありながら、現代ドラマにもなっていると思います。戦後80年という年に、みんなで心を込めて作りました。物語に込めた願いが、皆さんに届いてくれたらうれしいなと思っています」と視聴者へ呼びかけた。