物語は、大関和さんと鈴木雅さんという2人のトレンドナースをモチーフに描く、考え方もやり方もまるで違う2人の主人公のバディドラマ。
水野美紀が演じる一ノ瀬美津(いちのせ・みつ)は、主人公・りんの母。那須にあった小藩の旧藩主の一族として生まれた。農家になり、明治を迎えても気位の高さは失っておらず、いざという時には自らなぎなたを振るう豪胆さをもつ。一方で新しい物好きな一面も。
■コメント
――「風、薫る」に出演される意気込み
今回の出演、とてもうれしく思います。大きな変化の中にある時代をたくましく生きる人物を演じる事で得られるものはとても大きいと感じています。現代からの視点で見れば、「風、薫る」で描かれる明治時代は、物理的にはとても不便で、社会的な抑圧もとても強くて精神的にも辛い事が多い。だけど渦中の人物たちにはそれが当たり前で、目の前の苦難を一つひとつ、歯を食いしばって乗り越えていくしかない。だけどそれが不幸で現代を生きる我々は幸せかと言えば、全く言い切れない。生きる力とは何か、幸せとは何か、切実に己に問いかけながら、脚本を読み進めています。
――連続テレビ小説出演歴
「スカーレット」では主人公の生活する共同の宿の同居人を演じました。大阪での撮影で、まだ幼かった我が子を連れて撮影に通った日のことを想い出します。
――作品は、看護がテーマのひとつ。看護に関わる仕事との接点や思い出などについて
看護師や医者の役は何度もやり、その度に監修の先生からさまざまなことを学ぶのですが、本当に大変な仕事であると感じます。看護される状態にある人というのは、人生の波の中でも苦難の状態にある人で、そういう時にはその人の本質が覗く。不安を抱えていれば感傷的になるし時に攻撃的にもなる。だから看護の現場はドラマになりやすいのだと思います。それを受け止める看護師という仕事は、人間力のいる仕事だと思います。
――ドラマのモチーフとなる大関和さんは栃木県那須地域(大田原市)出身。ご当地の印象等について
栃木は近くて遠い場所です。日光や那須、宇都宮はよくロケでも訪れますが、車で行くので遠い!新幹線で行けば近いのに、新幹線で行く機会がなかなかない。