取材会では、現地での生活や挑戦中のエピソードについても語られた。現地で一番つらかったことを聞かれ、ラウールはしばし悩んだ後、「僕、方向音痴なんで、道に迷いすぎて。それがつらかったです」と告白。パリやミラノではキャスティングのため、ひとりでオーディション会場に向かわなければならない。日本の活動では送迎車に乗り込むだけだったが、海外では公共交通機関や徒歩・自転車での移動が必須となった。「海外で電波を確保するのが下手で、ポケットWi-Fiを持っていきたくなんです。歩いてる途中に充電が切れちゃって。方向音痴の人がスマホの地図をなくすと結構やばいですよ」と笑みをこぼしながら振り返った。
また、「16歳でデビューしちゃったんで、普通の10代、20代の人より、甘やかされて、苦しまなかったのかなと思っちゃって。それが結構コンプレックスだった」と吐露したラウール。「別に『つらかった』と誇張するつもりはないけれど、こういう経験をしてみたかった」と語った。
ほほ笑ましいエピソードの一方で、「アジア人が欧米の方と対等に仕事をしていく難しさっていうのは、本当に身をもって感じました」とも明かしたラウール。
うれしかった瞬間については「体を見せる仕事だったので、終わったら何かおいしいご飯を食べようと思って。それ食べているときが一番うれしかったです」と回答。「どういうものを食べているときが一番幸せでしたか」と聞かれると、「うわあ!いい質問!それいい質問ですね!」とこの日一番声を弾ませたラウール。パリで出会った日本人の寿司屋に毎年通っていると明かし、「やっぱり自分は日本人なんだなと思った」と笑顔を見せた。
さらに、この挑戦が人生観をどう変えたかについて問われると「就職活動的な感じだった」と表現。芸能界に導かれるまま入ったラウールにとって、オーディションを自力で受け続けることは初めての体験だった。