ドラマタイトルの略称は『ぼくほし』。
第10話では、大学への推薦が決まっていた生徒会・元副会長の斎藤(南)が、大麻所持の容疑で警察に逮捕されたという信じがたい知らせが学校に飛び込んでくる。斎藤が学校側から処分を受ける可能性もある中、彼女の家族や鷹野(日高)から弁護を頼まれた健治は決意を固め…。
■南琴奈 コメント
私が演じる斎藤は、芯があって責任感もあるけれど、堅苦しすぎず穏やかな人間性があり、演じていてとても魅力的だなと思っています。10話は、そんな新しい斎藤の一面が見られると同時に、物語がスピーディーに進んでいくので、ドキドキハラハラしながら目が離せない展開になっています。台本を読んだ時から、斎藤が自分の人生に起こり得るはずがないと思っていたことが急に起きて、いろんな感情が入り乱れているので、演じるのが大変そうだなと思っていましたが、同時にこの役を任せていただけたことがうれしく、期待に応えたいと思いました。分からないことがあった時には、すぐに監督に聞くようにし、理解を深めていきました。
現場では、磯村さんがフレンドリーな空気感を作ってくださるので思いっきり演じることができています。10話の中で少年鑑別所でのシーンがあるのですが、ちゃんと感情を出せるかなという不安がありましたが、面会室のドアを開けて磯村さんと平岩さんの顔を見た時にすごく安心した自分がいました。生徒会長を演じる日高くんとも、合間の時間に意見交換をしたり、合わせてみたりと、やりやすい空気感を作ってくれるのですごく居心地がよかったです。
このドラマは今の時代ならではの問題を扱いつつ、作品全体に流れる優しい空気感があります。
■日高由起刀 コメント
10話の中で天文部の部室に生徒が集まって、健治さんが全員に語りかける印象的な場面があるのですが、その場にいる一人ひとりの表情をシーンの頭から最後まで一連で撮影しました。カット数が多く何度も繰り返し撮影していく中でも、磯村さんが長いセリフを細かな感情の変化をつけながら毎回100%の力で表現されていて、集中力・持続力がすごく、その熱量を直に感じました。言葉を受ける側としても、とても演じやすく、ありがたく感じました。クランクインしてからずっと、磯村さん自身が、自分が動いた方が周りも良くなるだろうと思ってくださっていることが強く感じられ、すべての面で見習うことがあると、生徒役同士でよく話しています。また 10話は、1話と比べて鷹野の感情が大きく動き、斎藤を心配したり、健治さんに向かって感情を高ぶらせたりするシーンがあります。突発的に行動に出ることが多い鷹野ですが、不器用ながらもきれいな心を持っているからこそ、誰かのために動ける、偽りのなさが愛くるしいキャラクターなのかなと思っています。
このドラマは、一人ひとり見てくださっている方々に、一対一で対話していくような作品です。全員に居場所があるんだよということを、1話1話丁寧に伝えてくれますし、すっきり解決しない時があるからこそ毎話自分で咀嚼(そしゃく)して考えたくなります。