ロックバンドKing Gnuのボーカルの井口理、演出家の小貫流星氏が16日、都内で行われた舞台『キャッシュ・オン・デリバリー』の製作発表記者会見に参加した。

 小貫氏は、日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒業。舞台『千と千尋の神隠し』、『キングダム』、ミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVEなどで演出助手を務め、本作が演出家デビューとなる。井口は東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。出会いは大学時代のミュージカルサークルに入っていたという。約10年前にも同作を上演。当時はエリック・スワン役を小貫氏で主演と演出を務め、ノーマン・バセット役で井口が出演した。今回は小貫氏が演出、井口がエリック役で主演し、ノーマン役を矢本悠馬が務める。

 メジャーデビュー後の初舞台となる。本作をその舞台に決めた理由を問われると井口は「小貫くんから『一緒に舞台をやらないか』と提案されたのは、実は2年ぐらい前なんです。だいぶ時が経ってるんで、なんでこうなったのか覚えてない」とする。

 小貫氏は「食事行く機会があって、その時に『理って舞台やらないの?』みたいなことを言って。『やってみたいですけどね』。そんな言葉から始まったんじゃないかな、と記憶してるんですけど。昔やったことある作品を、もう1回やってみようかみたいなものもあったんじゃないかな」と記憶をたどりながら語った。

 改めて小貫氏の演出する作品への思いも。「最初に演劇というジャンルに踏み込んだきっかけが小貫くんだった。当時、教えてくれたこともたくさんあった。その恩返しみたいなところもかなり大きいなとは思います」としみじみと語った。そして「また一緒にやれたら面白いなという気持ちもありました」とにこやかに語り「楽しんでやりたい。今は狼狽しているんですけど(笑)。さっき顔合わせをした皆さんがいい人そうだったので、とりあえずは大丈夫かな」と笑った。

 また、小貫氏は井口を誘った理由について「当時から輝くスター性があったのかもしれないですね」とニヤリ。井口は「悪意があるな」とボヤくと小貫氏は「お芝居をやったことがないけど一緒にやってみたいと思って声を掛けちゃいました」と話していた。

 同作は、ロンドン郊外を舞台に、失業した元・電力公社社員のエリック・スワンが、不正受給のために架空の間借り人を何人もでっち上げたことから、嘘に嘘を重ねていく姿を描いたコメディ作品。エリック役を井口が、エリックの間借り人ノーマン・バセット役を矢本が演じる。

 東京公演は12月5日~21日までTHEATER MILANO Zaで、大阪公演は来年1月8日~12日までクールジャパンパーク大阪 WWホールで上演される。

 会見には、矢本悠馬、山崎紘菜妃海風、まりあ、脇知弘、明星真由美、小松和重も参加した。

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