クラフトビール市場が拡大を続ける中、多様なフレーバーや製法を武器にした地域発ブランドが全国に広がっている。特に暑さが長引く今年、フルーツビールやフレーバービールと呼ばれるカテゴリはバーでも市販でも活況となっている。
先日上場を発表したオリオンビールは、超少量生産のクラフトビールシリーズ『しまめぐり』を新たに展開。アセロラ、マンゴー、パイナップル等の素材が使われ、沖縄の自然や文化をそのままグラスに詰め込んだような特別なビールとなっている。

 『しまめぐり』は、名護工場内の小規模醸造設備「Co-Labo75(コラボナゴ)」で造られ、希少な素材を用いたり、通常の大量生産では難しい自由な製法に挑戦したり、超少量生産だからこそのフレーバー展開が特徴。

 シリーズ第1弾は「今帰仁 FRUIT SHINY SOUR」。沖縄県産アセロラ果汁とラカンセア酵母を使い、爽やかな酸味と芳醇なホップの香りを引き出した。白ワインのような香りに包まれながら、今帰仁村の豊かな自然を思い浮かべられる一杯に仕上がっている。

 続く第2弾は「伊江島 HAZY IPA」で、伊江島産小麦を使った濁りのある黄金色のビールに。トロピカルな果実のアロマとシトラスの爽快さ、ニュージーランド産ホップの華やかさが調和する。マンゴーやパイナップルを連想させるジューシーな味わいが特徴だ。

 ビールの味わいはそのままに、果物の果汁や香りをしっかり感じられる仕上がりなので「ビールが苦手な人」にも飲みやすい。公式ECサイト限定で販売されているが、第1・2弾ともに完売している。

 同社は「沖縄の魅力をビールに込める」ことを信念に掲げており、地元の風土や文化を伝えるために『しまめぐり』のクラフトビール作りに挑戦しているという。
その土地の強みを活かしたフレーバー展開をすることで、新規ユーザーを獲得できる可能性も広がっていくだろう。

 公式ECサイト限定で、年6回のペースで沖縄各地の地名を冠した商品を発売する予定としていて、現在は第3弾の準備中。同シリーズが今後どのような広がりを見せるのか、注目していきたい。
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