俳優の坂口健太郎が主演する映画『私はあなたを知らない、』(8月28日公開)から、坂口演じる夕平と、倉田瑛茉演じる幼い朝子が遊園地で過ごす場面写真が公開された。

 本作は、『湯を沸かすほどの熱い愛』以来、10年ぶりに中野量太監督が完全オリジナル脚本を手がけた日仏共同製作のヒューマンサスペンス。
中野監督と初めてタッグを組む坂口が、“家族”という幸せの形を追い求めた末、愛する人を殺めるという重い罪を犯した孤独な青年・夕平を演じる。

 公開されたのは、夕平と朝子の関係性を映し出す遊園地の場面。都合がつかなくなったシングルマザーの紗月(堀田真由)に代わって、夕平が朝子を連れて遊園地を訪れる。

 ソフトクリームを食べたいものの、疲れて動きたくない朝子。夕平が「いっしょに行こう」と誘うと、「ひとりで待てるもん!夕平なんか必要ない」とそっぽを向く。夕平はその場を動かないよう言い聞かせ、ソフトクリームを買いに行く。

 朝子のもとへ戻ろうとする夕平だったが、途中で足を止め、離れた場所からその姿を見つめ続ける。やがて朝子は夕平の名前を呼びながら泣き出す。手にしたソフトクリームが溶け落ちる中、我に返った夕平は慌てて朝子のもとへ駆け寄る。

 中野監督は、この場面が自身の子育て経験から生まれたと説明。子どもに「自分がいなければ困る」と感じてほしい――そんな、愛情と自分を必要としてほしい気持ちが入り交じり、あえて不安にさせるような行動を取ってしまったことがあるという。

 「息子に対して、愛しているからこそ意地悪したくなるときがあったんです。
『自分がいなきゃダメでしょ、離れたら困るでしょ』って」と打ち明け、「基本的に人には意地悪をしないのに、息子に対しては、なんでこんなことをしているんだろうという、父親になって経験した初めての感覚を描きたかったシーンですね」と語った。

 誰とも交わらず孤独に生きてきた夕平にとって、朝子は初めて“家族”の温もりを感じさせる存在。「朝子には自分がいなければダメなんだ」と信じたい思いが表れた場面となっている。

 撮影では、中野監督が妥協することなく何度もテイクを重ねたという。坂口については、「テイクを重ねることで良くなるタイプの俳優さん。決め込んだ芝居はしてこない方で、テストをして話し合って、またテイクを重ねて到達点に届く感じがありました。こうしてほしいと言ったら『わかりました。やってみます』と。ふたりで何度も考えながら答えにたどり着く(演出でした)」と振り返っている。

 中野監督が登壇するティーチイン付き上映が、8月29日と30日に開催されることが決定。アップリンク吉祥寺、恵比寿ガーデンシネマ、ムービル、T・ジョイ PRINCE 品川の4会場で行われる。詳細は公式サイト等に掲載。
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