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本作は、新進気鋭の監督4人が、埼玉県に住むごくごく普通の家族をテーマに、父親・母親・息子・娘、それぞれの物語を4編のオムニバスとして描いた作品だ。『ポニーテールはふり向かない』のほか、『スクール☆ウォーズ』、『乳姉妹』など、数々の大映ドラマで共演を重ねてきた鶴見と伊藤。夫婦役を演じるのはどのような心境だったろうか。
鶴見は「僕達は若い時に、密度の濃い期間を一緒に過ごしていますから。最初から、非常に良い信頼関係が出来上がっているんです。夫婦間の独特なニュアンスも、ごく自然な形で成立させることができた。そういうのは、長い間、役者をやってきた我々の財産、武器のひとつだと思うんです」としみじみ。伊藤も「演じる上で、探り合ったり、相談したりもせず。『鶴見くんなら、やっちゃって大丈夫だろうな』と思っていました」と厚い信頼を寄せる。
父親・母親・息子・娘の立場・視点から、1編ごとにそれぞれの悩みが浮き彫りになる本作。
「私、まんまと泣いちゃった!」と伊藤。続けて「本当に、それぞれは全く違うタイプの映画」というが、その言葉を受けて鶴見が「かずえさんのパートは、ロードムービーのようでスリリングだし、森田(涼花)くんのパートは、甘酸っぱい青春もの。大野(拓朗)くんのパートは、しっかりとしたラブストーリーとして描かれている。すべてのパズルがうまくはまったというか、ドミノのクワトロピザみたいだよね(笑)。色んな種類のピザが、きちんとひとつの箱に入っている」と完成作に胸を張る。
今回は夫婦役を演じたが、2人が出会ったのは、本作でいう娘・息子世代のことだ。「お互いに27年の変化を感じるか」と聞いてみると、「鶴見くんは、昔からすごくしっかりしていた。
1980年代に大ブームとなり、パワフルなドラマを生み出し続けた大映ドラマシリーズだが、そこで培ったものは「根性と気合!」(伊藤)、「忍耐力!」(鶴見)と、楽しそうに声を合わせる。そんな2人にとって、お互いの存在は「同じ学校を卒業した同級生みたいなもの」と鶴見。伊藤も「何年経っても、すぐにあの頃に戻れる。そんなに頻繁に会っていなくても、『実はこんなことがあったんだ』と、何でも話せてしまうんです」と、得たものは限りない。
ちなみに伊藤が『ポニーテールはふり向かない』で印象に残っているセリフは、「お父さん、頭の中がスパゲッティになっちゃうよ!」と亡き父に語りかける一言だとか。思わず「懐かしい!」と思った大映ドラマっ子たちも、今や親世代となり、家族の大切さを実感している人も多いはず。『埼玉家族』は、まさにそんな人の心にこそ、響く作品だ。最後に改めて、「家族とはどんなもの?」と聞いてみた。「小さなことでも、面倒くさがらずに話し合っていくことが大事だと思う。私自身、親になって初めて、無償の愛というものを知りました」(伊藤)、「家族は、社会を作っている一番小さな単位。大げさなことを言うと、人間って、人を支配したいとか、屈服させたいとか思うものだけれど、そういった争いごとに向かう芽を、小さなところから摘み取っていくのが、家族の仕事だと思うんです。
『埼玉家族』は新宿ピカデリー、MOVIX川口、なんばパークスシネマにて上映中。
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