結果を出す人の対応は何が違うか。営業コンサルタントの菊原智明さんは「いかにもたくさん仕事を抱えていて大変な雰囲気を醸し出している人は、実際は標準以下の成績しか残せず苦しんでいることが多い。
確実にチャンスをつかみ、結果を出し続ける人は総じてクイックレスポンスだ」という――。
※本稿は、菊原智明『決定版 「稼げる営業」と「ダメ営業」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
■チャンスをつかみ損ねる営業の電話対応
稼げる営業はいつも暇そうで、

ダメ営業はいつも忙しそうにしている。

先日、証券会社の営業に問い合わせの電話をした時のことです。
新しい商品について聞きたいことがあり、電話をしたところ「今、ちょっと手が離せなくて……すみません。かけ直します」と言われてしまいました。
そして数時間後「今日はバタバタしていましてね。電話が遅れてすみません」と電話がかかってきたのです。いかにもたくさん仕事を抱えていて大変な雰囲気を醸し出しています。
この営業はいつ電話しても忙しそうです。「さぞかし成績がいいのだろう」と思っていましたが、実際は標準以下の成績しか残せず苦しんでいます。
ただこの営業のように電話に出てくれるだけまだいいほうです。
中には電話自体に出てくれない営業もいます。留守電にメッセージを残しても、その日のうちに電話がかかってきません。
そして忘れた頃に連絡があり、その頃には用事自体を忘れ「なぜこの人に連絡したのか覚えていない」なんてことになります。そのころにはすでに他社にお願いしています。
ダメ営業はこうしてチャンスをつかみ損ないます。
稼げる営業はお客様の電話にすぐに出ますし、もし出なかったとしてもすぐにかけ直してくれます。
■稼げる営業は総じてクイックレスポンス
私がお世話になっている営業はいつもすぐに電話に出てくれて、その上、丁寧に対応してくれます。忙しいそぶりなど微塵も感じさせません。この営業は成績もよく、お客様が多い人です。
にもかかわらず、いつ電話しても“暇ですから大丈夫ですよ”という雰囲気で対応してくれるのです。こうした人は確実にチャンスをつかみ、結果を出し続けるのです。
電話の対応もそうですが、SNSやメールの返信はもっと差が出ます。

問い合わせメールをして、「2日後の返信」と「2時間後の返信」では全く印象が違ってきます。
稼げる営業は総じてクイックレスポンスです。お客様からの問い合わせに早く対応することで、結果につながることをよく知っているからです。私の知人のトップ営業の方はメールの返信がとにかくスピーディーですし、SNSは1~3分以内に返信が返ってきます。
ここまでとは言いませんが、稼げる営業はとにかくスピード感があるのです。
また稼げる営業は、約束したことの対応も、非常に早いのです。
頼んだものは数分後にはメールの添付資料として送られてきます。
逆にダメ営業は仕事に忙殺され対応が遅れます。早くても翌日か翌々日です。
1日、2日の差かもしれませんが、そこでチャンスを失うのです。
■仕事が遅れると、お客様には不誠実な対応として伝わる
会った時は感じがいいのに、その後の対応はイマイチという営業が多くいます。
実にもったいないことです。
この手のタイプの営業はお客様と別れた後、すぐにとりかからないケースが多いのです。
本当に仕事が忙しい時もあるでしょう。しかし、そうではなく「後ですればいい」と単純に忘れてしまった、ということもあります。
こうして仕事が遅れると、お客様には不誠実な対応として伝わってしまうのです。
お客様への対応はクイックレスポンスが基本。
これを常に心がけてください。
お客様からの電話、メール、約束は

できるだけ早く、そして丁寧に対応する!

■時間をかけても、結果が出なければ「無駄な時間」
稼げる営業はタイパを考え、

ダメ営業は無駄な時間を費やす。

ダメ営業時代の私は、1日の大半を結果につながらない時間に費やしていました。
朝から晩までお客様のところへアポなし訪問をしたこともあります。
しかし訪問を苦手としていた私がそれに時間を費やしても、結果は出ません。
お客様から嫌われることはあっても、いい話になることはなかったのです。
また、1日中事務所にこもってお客様の間取りを考えていたこともあります。

しかし、お客様から明確な要望を聞きとれていないうちに考えていたので、ニーズに合ったものはできません。
実際8時間も考えた間取りをお客様に見せた瞬間、「ちょっと違いますね」と言われたこともよくありました。
この瞬間に8時間が無駄になったということになります。
契約につながらないことへ大半の時間を費やしていれば、結果が出ないのは当然です。
当たり前のように契約ゼロを更新していたのです。
以前、セミナーでお会いした営業はこんな話をしていました。
営業「うちの会社はとにかく会議が多いんですよ。日によっては朝から晩までやる時もあります」
私「それじゃ、いつ仕事をするのですか?」
営業「そういった日は時間がなくて仕事はできません。しかも上司に提出する報告書が多くて、会議がない日でもほとんどお客様を回れないのです」
■「仕事=契約につながる行動」とタイパを意識する
この方は法人営業をしていたのですが、お得意先を回りたいと思っていても、週に何度も会議がある上に提出する書類が多くて回れないと嘆いていました。
契約につながらない無駄な時間が多いため、会社全体の業績が下がります。
業績が下がるから、会議や書類が増えるという悪循環に陥ってしまうのです。
今この会社は存在していません。

稼げる営業は契約につながらない無駄な時間を費やすことを嫌います。そして仕事をしている時に「この仕事は契約につながる行動だろうか?」と常に問いかけています。
つまり、無駄な時間を減らし、有効的な時間を増やすことで結果を出しているのです。
仕事ができる人の間では「いかにタイパを上げていくか」といった話をします。
タイパとはタイムパフォーマンスの略語であり、限られた時間内で最大の成果を出すことを目的とした考え方です。
一流のアスリートの記事で「人間はみんな同じ時間を与えられている。それをいかに有効的に使えるかが大切」と書かれていたものがありました。限られた時間を有効に活かす、それが結果を出し続ける人が心がけていることなのです。
■1年も1日1日の積み重ね、いい時間の使い方を
トップ営業になった私は、極力無駄な時間を過ごさないようにしました。
朝からやることリストを見て、順序よくこなしていきます。
それまでは朝無駄な時間を過ごし、お昼から重い腰を上げて仕事をはじめていたこともありました。時間を無駄にしないように意識してからは、とくに忙しい日を除けば重要な仕事が午前中のうちにほとんど終わるようになります。

できる限りの時間を契約につながる行動に使った結果、継続して結果が出るようになったのです。
1年も1日1日の積み重ねです。
“限られた時間をどう有効に使うか?”を意識しながら仕事に臨んでください。
いい時間の使い方をしていれば自ずといい結果が出るようになるものです。
限られた時間をいかに有効に活かすかを

考えている!

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菊原 智明(きくはら・ともあき)

営業コンサルタント

営業サポート・コンサルティング代表取締役。関東学園大学経済学部講師。社団法人営業人材教育協会理事。1972年生まれ。群馬県高崎市出身。群馬大学工学部卒業後、トヨタホームに入社し、営業の世界へ。自分に合う営業方法が見つからず7年間、ダメ営業時代を過ごした後、手紙で情報を提供する営業に切り替えたことをきっかけに4年連続トップ営業に。2006年に独立し現職。主な著書に『訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書』(日本経済新聞出版社)、『売れる営業に変わる100の言葉』(ダイヤモンド社)、『面接ではウソをつけ』(星海社)、『トップ営業マンのルール』『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』『残業なしで成果をあげるトップ営業の鉄則』(明日香出版社)、『営業1年目の教科書』『営業の働き方大全』(大和書房)、『リモート営業で結果を出す人の48のルール』(河出書房新社)、『仕事ではウソをつけ』(光文社)、『使ったその日から売上げが右肩上がり!営業フレーズ言いかえ事典』(大和出版)などがる。

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(営業コンサルタント 菊原 智明)
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