■第一印象の悪さを逆手にとったハガキ戦略
「なんだこいつ」
株式会社ヘソプロダクション代表 稲本ミノルさんは、初対面でこう思われることが多い。
グラサンにヒゲ、ユニセックスなコムデギャルソンのスーツ。どう見ても尖っている。営業先にも、取引先にも、第一印象はかなり悪い。
ところが、稲本さんの元には、大企業の社長が次々に相談に訪れる。一体なぜなのか。答えは、20万通のハガキにあった――。
稲本さんは28歳頃から、名刺交換した相手全員にハガキを出している。20年以上継続しており、合計枚数は20万通以上。
「はじめた理由は第一印象の悪さです。生意気そうに見える。特に20代の頃は『なんだこいつ』みたいなことをよく言われました。見た目や雰囲気で機会を失うことが多かった」
■「ちゃんとした人間である」と伝えたい
しかし、表面だけを取り繕わず、ありのままの自分でおしゃれして生きたかった。「自分はこういう人間です」から入ったほうが、関係性が長続きするとも。そこで稲本さんが考えたのは、「第一印象で判断された後に、手紙を書いて、中身はちゃんとした人間であることを伝える」戦略だった。
手紙の内容は、一人ひとりに合わせて変えている。まずは出会えたことへの感謝を。続いて、新規の顧客なら、「今後こういうことに全力で貢献します」。
「拝啓」のように、かしこまりすぎない文面にするのもポイントだ。「感謝申し上げます」ではなく「ありがとうございます」。転職した人には「新しい環境でがんばってね」。
「このハガキを書き始めてから、めっちゃ仕事がやりやすくなったんよ」と稲本さんは身を乗り出す。
見た目とのギャップがあるからこそ余計に、手紙が届くと、「あいつ生意気だけど、ちゃんとしてんねんな」と印象が良くなったからだ。あとは仕事の姿勢で見せる。すると、ハガキを書く丁寧な姿勢と一致して、さらなる信頼を得られた。
■書くたび、初心に戻れる
相手から、返事は来るのだろうか。
「できる経営者ほど、すぐに電話をくれます。でも大体はメールの返信ですね」
稲本さんがこの習慣を知ったきっかけは、あるデザイン会社の社長の話だった。「うちの社員に手紙を書かせている」と聞いて、「自分も書こうかな」と思ったのだ。
加えて、「覚えてもらう」狙いもあった。成功している人ほど、月に数百人と出会うことも珍しくなく、記憶に残るのは大変だ。でも覚えてもらうことができれば、次に仕事を頼みたいと頭に浮かぶはず。営業的な意味もあったのだ。
けれど20年の間には、多忙を極め、もう止めようかと迷ったこともある。送っても、すぐに捨てられているんじゃないか――? そんな不安もよぎった。
でも、デジタルが主流の時代だからこそアナログを大事にしたい。本来メール1本でいい話だけれども、「ハガキに手書きで出すことに意味がある」と思い直した。
それに、書くことで、謙虚であり続けられる意義もあった。ハガキを書くたびに、「ビジネスは人あってのもの。経営者として偉そうにしないで、出会いに感謝し続けていたい」という気持ちになれた。
自分より目上の人など、手紙を出す人を選定しようか考えたこともある。しかしそれでは、「出会いに感謝」していないことになる――。結局、誰に対してもルーティンを変えないと決めた。
気づけば20年以上。こんなに長い間欠かさずやり続けていることはほかにない。自分でも驚いているそうだ。
■スイッチを切らず、ずっとオンでいる
ハガキ以外でも、稲本さんの仕事論はちょっと特殊だ。たとえば、「ワークライフバランス」不要論。
「オン・オフ発想のある人って『あんまり仕事できへんやつ』と思ってる。身体が資本のアスリートはさておき、特に企画系、クリエーターが最高のパフォーマンスを出すためには、ずっとオンでいいんじゃないの? オン・オフなんて嘘だろう、というのが僕の考え方」
パソコンに例えると、会社以外でも常に「スタンバイ」状態だそうだ。画面が黒くても、仕事の電源はついているという。
むろん、物理的にずっと仕事をしていろというわけではない。遊びながら、酒を飲みながらでも仕事目線をオンにしているということだ。そうすれば、仕事になりそうな話を聞いて、「え? どういうこと?」とすぐに反応できる。
経営者仲間とくだらない話をしているときに、面白いアイデアが生まれることも少なくないそうだ。ひと晩たって、「昨日のバカな話、本当にやらへん?」と企画が実現したことも、一度や二度ではない。
■「会いたい」は断らない
人から「会いたい」といわれた機会をほとんど断らないのもこだわりだ。
あきらかに仕事上関わりのない、保険会社や不動産会社からの売り込みは別だ。しかしそれ以外、新規の問い合わせや提案依頼には必ず全部会う。そして、会った人の話は素直に聞く。「この話本当?」と穿った姿勢ではなく、ひとまず純粋にインプットするそうだ。
「テレビに出ると、次の日しらないおじさんがノーアポで弊社にきたりもします。『あの社長だったら、この話をわかってくれると思うから』って。そういうのも、ちょっとだけやったら聞いてみます。この前来た方は、『リアル宝探しをやろうぜ! すごい宝を埋めるから多分殺人おきるで』というぶっとんだ話でした。そういうのも聞きます」
ただし聞いている間、メモはしない。「覚えていることがすべて」と稲本さん。「忘れることは、自分に必要のない情報だから忘れていい」と考えている。
会う人以外から「知識をインプットしよう」と思うことはないそうだ。本を読んだり、インターネットで「情報を拾いにいく」という習慣は全くない。
「本は、今も昔も全く読みません。新聞も。ネットはごくたまに見るくらい。SNSはほぼ自分から発信するだけ。『情弱』やって言われたことあるけど、その言葉さえ知らなかった」
それがかえって、稲本さんの企画の独創性を高めているのかもしれない。
■社内会議も、朝礼もない
一方で、企画を考える際には、人の意見は聞かない。話し合わない。だからヘソプロには、社内会議や朝礼がない。現状、企画を考えているのは稲本さんだけだ。
例外的に、稲本さんの使わない女性向け商品の「使い勝手」について、女性社員に聞くことはあるそうだ。それ以外はデザインを含め、誰にも相談することはない。
「人の意見を聞き始めると企画は停滞します。10人いたら3人は必ず否定しますから。『もっとこうなんじゃないですか』という意見が必ず出る。それを全部聞いたら、絶対おもんない商品になります。万人がすんなり受け入れるデザインや商品になった時点で、なんの違和感もなくなる。そんなの売れる気がしません」
現代は、10人いたら1人だけが好きだというマニアックなもの、コアなもののほうが売れる時代になってきている、と稲本さん。だから、一人で十分。
情報化社会では、その1人が勝手に広めてくれる。もちろん売れないリスクもはらむが、その緊張感が「どう見せたら売れるんだろう」「こういう売り方をしたら目立つのでは」といった思考につながり、いい方向に作用するという。
プレスリリースも自分で考えている。「なにこれ?」と二度見するタイトルやキャッチコピー、驚きのある写真。広がりやすいワードを使った説明文。すべてを駆使して、売る。
商品名も重要だ。2023年に阪神タイガースが優勝したときには、岡田彰布監督が「優勝」の隠語として使っていた「アレ」と「パインアメ」をかけて、「パインアレ」として発売することを思いつく。すでに取引のあったパインアメの製造元、株式会社パインと、ヘソプロがスポンサーを務める阪神タイガースに出向いてプレゼンし、商品化した。
タイガースデザインの巾着にパインアメが入っているシンプルな商品だが、名前の面白さで大ヒット。購買スピードに生産が追いつかず、一度は注文受け入れを停止したという。
■ホームラン商品は「狙って打つ」
「あと、これは体系立てて教えられないことだけど」と前置きして、稲本さんはにわかには信じ難い話もしてくれた。それは、「ホームラン商品を狙って打ちにいっている」というものだ。
企画界の大谷翔平なのだろうか。
ホームラン商品を稲本さんは、「パインアレ」のような、「つくってもつくっても製造が追いつかない商品」と定義している。「忖度まんじゅう」のように、企画やお菓子にそこまでアンテナを張っていない人まで伝播し、テレビ取材が殺到するような商品もそれに当たる。
これらの商品はすべて、最初から「ホームランを狙って打った」のだそうだ。
「1年後の売れ方、どんな人が手にとって、こうなってこうなって……と先々までイメージできるんです。売れる未来が見えるというか。そういう商品はほぼ100%ヒットする。ヒットを狙って失敗したことはあるけど、ホームランを狙って外したことはないですね」
「忖度まんじゅう」がまさにそれだ。
話題になり、メディアに次々取り上げられ、12月に発表となる流行語大賞に選ばれた。なんと、自分がトロフィーを受け取ることまで予想して、周囲に伝えていたそうだ。「政治家とかオファーしても受け取りにいくやつおらへん。絶対俺やで」と。
この予想があったため、忖度まんじゅうは3段階で発売した。2017年6月の発売時には白まんじゅうを。次に、メディアで話題になったタイミングで「腹黒」をイメージした黒まんじゅうを。最後に、12月1日の流行語大賞の発表に合わせ、お正月らしい紅白まんじゅうを用意していたのだ。
■だから300万円の投資を即決できる
最近でいうと、魚の形の醤油入れ、「ランチャーム」のハンドクリームも狙いに行ってフェンスを越えた商品だ。
ヒントとなったのは、「旅行の荷物を減らすために、女性が醤油差しにハンドクリームを詰めていく」という話。「じゃあでっかいのあったらおもろない?」という話から、片手サイズの巨大な魚型醤油入れのビジュアルや、「ギョギョッ」というキャッチコピーが浮かんだ。「売れる未来」が見えたのだ。
「それを信じて、300万円かけてつくる人が何人おると思いますか。でも僕は『売れる未来が見える』から、リスクをとってやれるんです」
商品企画の世界は厳しい。10回打席に立って、5回ヘタを打っていたらすぐに会社が倒産の危機にさらされる。常に7、8割バッターでなければ、企業として存続していけない。高い打率を、稀有な能力が支えている。ただし、ホームラン商品は準備も大変なため、1年に1本で十分だそうだ。
■幼少期「昔話テープ」が育んだ想像力
ところで、「売れる未来が見える」感覚を鍛えることはできるのだろうか。
「ものづくり、売り場、キャッチコピー、SNSの意識、写真、全部のエキスパートを目指すことで、おのずと見えるようになるんちゃうかな。勉強し続ければ、我流であろうとなんだろうと、それらの点がつながって線になってくると思う。複合的に物事を見て、それぞれについて考え抜くことやと思う」
それを続けていれば、すべてがフィットしたときにだけ、ザザーッと眼の前に拓ける風景があるのだそうだ。林の向こうの海のように。
「未来が見える」能力には、育ってきた環境なども影響しているのだろうか。ふと思って尋ねてみると、「ありますね。母が『あなたの感性は私が育てた』ってはっきりいうんです」と、間髪入れず返ってきた。
「確かにな、と思うことが1つあって。小学校の高学年ぐらいまで、自宅にあった『漫画日本昔話』のカセットテープを聞いて、空想するのが好きだったんです。映像を見るより物語を聞きながら、頭の中でビジュアルを想像するのが好きでした」。
そうやって想像力を鍛えたことが、「未来が見える」力につながったのかもしれない、と。
■閃きの源泉はどこにあるのか
少し話を戻そう。
さきほど稲本さんは、「複合的に物事を見て、それぞれについて考え抜く」とも言ったが、「考え抜く」とはどういう状態を指すのだろう。
稲本さんはいう。
「一回問題の解決策を数パターン考えた後、『無理、もうこれ以上考えてもなにも出てこない』まで行って止まったらあかん。もう一段階、しんどいくらい考えることです」
そうやって再び解決策を数パターン考えたら、稲本さんは、「自分の頭の上に問題を放り投げておく」イメージをするという。この「考えきって」「一回放り投げて」を繰り返していると、思ってもみなかったアイデア、解決策が上から落ちてくるのだそうだ。
「それが閃きなんちゃうかな。閃きとは、たぶん考え抜いた結果が熟成したもの。だから寝かす時間も必要だと思う。頭の上に放り投げておくことがポイントで、全然違うことを考え始めると、ゆっくり落ちてくる感じがする。ひらひらと」。
しかし、中途半端に考えるのを止めると落ちてこないそうだ。考え抜いたものを真上に放り投げるから、ちゃんと閃きとなって落ちてくる。
一見、特殊な能力にも思えるが、稲本さんがこの能力を身につけたのは35歳の頃だ。サラリーマン時代、同時にあれもこれも考え、行動しなければいけない状況のなかで鍛えられた。
どうすれば、要領よくこなしていけるのか。トライ・アンド・エラーを繰り返すなかで身につけたスキルだという。
今では、寝る前に解決したいことと解決策を考えながら寝て、朝起きたら閃いているときもあるそうだ。無意識下でも思考しているのかもしれない。
■手札は常に100枚もつ
起業から10年、今も稲本さんの「閃き」のペースは落ちていない。逆に上がっていっている気がするそうだ。ヒットメーカーとして名前が知られたことから相談件数が増え、必要に迫られているからだ。
現在は寝かせることなく相談の場で、「大喜利みたいに」アイデアを返すことも多いという。「1カ月後に企画提出なら誰でもできる。その場でアイデアを出せるから、こういう商売ができているのかもしれない」と笑いつつ、「でも実は手札として100枚、いつも持っている企画があるんです」と明かしてくれた。
ヘソプロでは1年前に商品を企画して、「いつでも製作できるがとっておく」ことがよくあるそうだ。それが「手札になった」ということ。9割つくってスタンバイして、残り1割を調整すれば、いつでも出せる状態にしているのだ。
あとは時期を見て、適切なタイミングでカードを切るだけ。「アラビックリヤマト」も、コロナ禍で宅食が増えてパン需要が伸びた時期に、「今やろう」と仕掛けて当たった。いつも100枚持っておけば、人から相談されときに、「あ、こんなカードありますけど、使います?」とすぐに提案もできる。
ただし、提案するためには商談の場で「何が問題か」を嗅ぎ分け、カードを選ぶ力が必要だ。その見極めは難しく、1時間の商談で脳をフル回転するため、かなり疲れるそうだ。
■営業はいつも「手ぶら」
「フエキノリ」の不易糊工業や「パインアメ」のパイン株式会社ほか、老舗とのコラボ商品も多いヘソプロ。先方からの相談ではなく、こちらからコラボを持ちかけることもある。
その交渉も稲本さんの仕事だが、どうやってプレゼンし、OKをもらっているのだろう。
聞いてみたところ、「コツは、手ぶらで気持ちだけ持っていくことです。活字にしたり、大層な資料を作るなんて発想はまるでありません」と、意外な答えと共に3つの鉄則を教えてくれた。
~稲本流「手ぶら営業」3つの鉄則~
【1:リスクを隠さず正直に伝える】
商品事故でブランドイメージが傷つく可能性もゼロじゃない。『コラボすることで、こんなリスクもある』と言葉を尽くして説明する。
【2:「売りつけない」姿勢を徹底】
お金をとろうとしない、売りつけようとしていないと伝わることが一番。不良在庫がもしできても、一切相手に負担はさせない。
【3:相手ブランドを主役にする】
「最終的にコラボしたブランド、キャラクターに焦点が当たることが一番のメリット」。「ヘソプロが目立つのではなく、相手企業の価値を高めることが目的だ」という姿勢をきちんと伝える。
この3つの鉄則により、たとえ商品が売れなくても「一緒にやってよかったな」と思ってもらえる関係性を築けるという。これを積み重ね、多くの企業と長期的な信頼関係を構築しているのだ。
■稲本さんのいない、ヘソプロの未来
稲本さんに取材する中で、ずっと気になっていたことがある。稲本さんがもしいなくなったら、ヘソプロはどうなるのか――。後継者の育成。その必要性は、稲本さん自身が最も感じている課題だ。
自分が病気や事故にあったらどうするのか。そろそろ変わっていかなければならない。だがそうなったとき、面白さや企業カラーは保てるのか?と。
これからものを買う世代の中心は、10代、20代になっていく。49歳の稲本さんの感覚値が今はまだフィットしているけれど、そのうちずれてくるだろう。これからどんどん後輩に任せていかねばならない。「老害にはなりたくない」と苦笑いする。そのためにも、大阪・関西万博はいい機会だと位置づけている。
「必要なのは、成功体験だと思う。何回もヒットやホームランを打って、その感触を知っているから新たなヒットを生み出せる。閃いたときに、『これ、くるんちゃうか』と感覚値で分かるんです。社員には万博でこの成功体験や、ホームラン商品のものの売れ方、忙しさを感じてほしい」
ヘソプロは、経営理念を定めていない。その代わりに毎年11月に、次の年のコンセプトを決めている。企業理念にすると、時代や世の中が変わって合わなくなるからだ。
2025年のコンセプトは万博も踏まえて、「culminate(最高到達点へ)」。
稲本さん自身、そしてヘソプロの集大成だという意味だ。売上も、2024年の年商24億に対して、2025年は40億円、もしかしたら50億円いくかもしれないという。驚異的な成長率だ。
だからこそ2025年を、「見たことのない忙しさと景色が見られる年」と位置づけている。「この『最高到達点』から見た景色で何を感じるか。次にどうしていくのかを、社員みんなと考えていきたい」と話す。
■大阪を、ヘソプロを、世界の中心に
へそプロはどんな明日を目指していくのだろうか。
日本の人口や経済状況を考えると、大阪を拠点にヒット商品を生み出すにも限界があるかもしれない。そう考えて、東京への支店出店、海外商品の企画も視野に入れている。また、稼いだお金を社内に還元するだけでなく、ベンチャー企業への投資も考えている。
「いろんな人に助けられて今があります。とても一人では成功できなかった。今度は自分が、起業したい人やベンチャー企業を応援したい。自分たちが一生懸命稼いだお金を、スポーツやビジネスをがんばっている人に還元したい」
その言葉どおり、阪神タイガース、セレッソ大阪、大阪エヴェッサと、スポーツチームのスポンサーもすでに務めている。スポーツを応援する意味もあるが、「15人の企業でもこんなことができる」と、中小企業に勇気を与えてあげたい想いが強いそうだ。「負担は大きいけれど、限界があると思わずに、どんどん背中を見せたい」と力を込める。
近隣の商店街の人からも「この街を変えて」と相談されており、解決策を考え中だ。これは偶然だそうだが、ヘソプロのある大阪・福島の大開(おおひらき)は、1918年に「発明の神様」として知られる松下幸之助さんがパナソニックを創業し、急成長した土地だ。
つまり、起業家が集まってくるのにふさわしい街。稲本さんもここで起業して、成長を遂げた。だから新社屋では、起業家が集まる機会をつくっていこうと話している。
「ものづくりは今の時代、どこでもできる。東京にいるから仕掛けられる、という時代ではない。自分がどこにいても、この街でなくても、自分がいるところが世界の中心として発信できる場所になればいい」
これは、「ヘソプロダクション」という社名の由来だ。ヘソには、「中心地」だけでなく、「物事の本質」「ど真ん中」という意味もある。会社を成長させて、「ヘソがやることがスタンダード」と言われるようにしていきたい。その思いは今も、変わっていない。
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笹間 聖子(ささま・せいこ)
フリーライター、編集者
おもなジャンルは「ホテル」「ビジネス」「発酵」「幼児教育」。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界専門誌で17年執筆を続けており、ホテルと経営者の取材経験多数。編集者としては、発酵食品メーカーの会員誌を10年以上担当し、多彩な発酵食品を取材した経験を持つ。「東洋経済オンライン」「月刊ホテレス」「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」「FQ Kids」などで執筆中。大阪在住。
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(フリーライター、編集者 笹間 聖子)