― レビュー2,479件の分析で見えた「家族の記憶」と作り手の“快適さへの執念” ―グンゼ創業130周年・肌着製造80周年記念 ロングセラーブランドLPを公開



 創業130年を迎えるグンゼ株式会社(本社:大阪市北区、社長:佐口敏康)でPRを担当している、入社3年目の社員です。アパレル業界には「ブランド寿命12年説」というものがあります。3年ごとにモデルチェンジをしないと生き残れない、と言われるシビアな世界です。


しかし、私たちの会社には、そんな業界の常識を心地よく裏切る「異例のロングセラー肌着」が存在します。それが、肌着ブランド「快適工房」。派手な広告を打つわけでもなく、パッケージに至っては四半世紀ほとんど変わっていません。それなのに、累計出荷枚数は4.7億枚(!)を超えているのです。

なぜ、これほどまでに長く愛され続けているのか――。その秘密を確かめたくて、私はお客様から寄せられた2,479件のレビューと、ご愛用者614名へのアンケートを読み込み、快適工房誕生の地、京都・宮津の開発現場を訪ねてみました。そこで出会ったのは、家族の記憶と、宮津のラボに灯る“怖いくらいの情熱”でした。

「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25...の画像はこちら >>


はじめに、入社3年目のPR担当者より

「創業130周年」「肌着製造80周年」「快適工房27年目」。この歴史を皆様はどう受け止められるでしょうか。

私は危うく”当たり前”と認識するところでした。新卒でグンゼに入社し、気づけば3年目。

自社のこと、商品のことを長年勤めてきた先輩方とすっかり同じように捉えてしまっていたのだと思います。

「今年はお客様に支えられてロングセラーになっているブランドや商品の歴史を徹底的に追いかけてみてはどうか」。


入社以来、ずっと高い熱量で背中を見せてくれている上司からのミッションを受け、入社動機であり、以前にも増して原動力になっている「生まれた日から最期の日まで人々の生活を根底から支えられるモノを自信を持って提供したい」という想いに突き動かされました。

私が生まれるずっと前から、変わらずにそこにあるもの。でも、ふと気づいたのです。トレンドが数ヶ月で入れ替わり、ブランドの寿命は12年説とまで言われる時代に、なぜこの肌着は累計4.7億枚も出荷され、25年以上も形を変えずに愛され続けているのか。

このいわば「異常事態」の裏側を、私の世代の言葉で解き明かしたい。このプロジェクトに私はますます熱が入りました。

プロフィール

「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25年以上変わらない肌着「快適工房」をPR担当の私が追いかけてみた






















グンゼ アパレルカンパニー PR担当。2002年奈良生まれ。2024年に入社以降、アパレル領域で戦略PRを担当し、プレスリリースの企画・制作、メディアリレーション、SNS運用、イベント企画などを通じて、全ブランドの認知拡大や企業ブランディングに取り組んでいる。

新商品情報を発信するだけでなく、季節や社会トレンド、生活者の悩みを起点に、「なぜ今その商品が必要なのか」を社会視点で捉え直し、世の中ゴトと結びつけた企画設計を大切にしている。



また、医療現場と患者様の声から生まれたブランド「メディキュア」の販促も担当し、試着イベントや学会出展も実施。

生活者視点とストーリー設計を大切にしながら、「商品を伝える」のではなく、「その背景にある想いや価値まで伝えるPR」を目指している。





新たな取り組みとして、グンゼ創業130周年を機に、長年愛され続けるロングセラーブランドの価値を再編集するプロジェクトを企画。レビュー分析やユーザー調査を通じて、“肌着”の裏側にある人の記憶や感情に着目した発信を行う。



コテコテの関西弁で、周りの非関西弁話者のイントネーションを狂わせてしまう。PRプランナー試験にも昨年から挑戦し、準PRプランナーまで取得。最終試験は実務経験の条件をクリアでき次第、挑戦予定。



そんな私が、今回のプロジェクトでまず向き合ったのが、お客様の「声」でした。なぜ快適工房は25年以上も愛され続けているのか。その答えは、広告でも数字でもなく、レビュー一つひとつに綴られた言葉の中にあるはずだと考えたからです。

2,479件の愛のレビューから見えてきた、肌着が繋ぐ「家族の記憶」

まず私は、グンゼストアに寄せられた2,479件のレビューと、ご愛用者614名のアンケートを一つひとつ読み込みました。そこで見えてきたのは、単なる衣類への評価という枠を超えた、エモーショナルな事実でした。

「快適工房」はただの肌着ではなく、家族や世代を繋ぐ「愛のバトン」として受け継がれていたのです。

※いただいたレビューのうち嬉しいお声を紹介しています。

「亡き祖母の記憶が、孫の世代の買い物かごを動かす」――印象的だったのは、ある30代女性の言葉です。

これは決して、たったひとりの声ではありません。ある男性は「亡くなったおじいちゃんが着ていたクレープのシャツを自分も買ってみた」とコメントされていました。また、90歳のお姑さんのために注文した方のレビューは、こう結ばれていました――『これこれ』。

パッケージデザイン的にもいかにもおばあちゃん向けの商品。ですが敏感肌の私は、はるか昔に亡くなったおばあちゃんが夏も冬も変わらず快適工房を愛用していた事を思い出し、勇気を持って注文しました。なんで今まで買わなかったんだろうと後悔するくらい、名前の通り快適そのものでした。 

——グンゼストア レビューより(30代女性)



お年寄り向け商品だと思い込んでいました。着てみた結果、ああ!もっと早く買っておけば良かった!お盆も近いので、祖父が夏休みの記憶を呼び覚ましてくれたのかもしれませんね。

——グンゼストア レビューより(男性)



もう何十年も使っていてなじんでいるので、今から別のモノは使いたくないようです。本人も『これこれ』と満足しています。 

——グンゼストア レビューより(女性)



そのひと言に、何十年もの信頼が詰まっているように感じました。アンケートでも、「私の人生に不可欠な存在です」といった嬉しいお声を沢山いただきました。


家族の顔を思い浮かべながら、肌着を選ぶ。そこには必ず、誰かの健やかな日々を願う気持ちがあります。その想いが時を超えて受け継がれ、次の世代の買い物かごを動かしていく。この「数字には現れない想い」の積み重ねこそが、4.7億枚という数字の正体でした。

温かいレビューの裏にあった、「きごこちへの狂気的な情熱」

お客様のこの深い愛情に、作り手はどう応えているのか――。その答えは、京都府の宮津工場に内設する「快適サイエンスラボ」にありました。同じ社内の先輩たちを訪ね、開発の裏側を聞かせてもらいました。

「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25年以上変わらない肌着「快適工房」をPR担当の私が追いかけてみた


快適工房が生まれたのは1999年。バブル崩壊後、いわゆる「失われた10年」の入口にあたる時期で、経済の先行きが見えない時代でした。だからこそ、「金の品質、銀の価格」をモットーに肌着を作り続けてきたグンゼは、「肌に直接触れるものには『変わらない安心』を届けたい」と考えました。そうして開設されたのが、宮津工場内の肌着の生理学研究所「快適工房」(現・グンゼ快適サイエンスラボ)。ブランド名は、この研究所の名前そのものから取られています。

「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25年以上変わらない肌着「快適工房」をPR担当の私が追いかけてみた


「そこまでやるのか!?」――アパレルの域を越えた、怖いくらいの情熱

藤本和彦(インナーウェア統括部 企画開発グループ 商品企画課 課長・入社29年)

開発チームは、「肌着の快適性をデータで証明する」というミッションにはかなり苦戦しました。業界を見渡しても快適性の数値化・視覚化は、誰もやっていないことだったからです。

肌着の「きごこち」は主観的なもの。それを客観的なデータで証明するために、グンゼは大学との産学連携で「脳波や心電図といった生体信号分析」「着用圧測定」「衣服内温湿度測定」など、無意識レベルでの快適性まで評価し、追求しました。人は窮屈な肌着にもすぐに慣れてしまいますが、無意識下ではストレスを受け続けています。私たちはその『意識にのぼらない不快感』さえも許さなかったのです。

「洗濯100回後」のストレスまで――変えないために、技術を更新し続ける

現場の技術深堀りの中で、私が最も驚愕したのは「洗濯100回後」のストレスまで検証しているという事実です。担当者は熱を込めて語ります。「新品が快適なのは当たり前です。私たちが許せないのは、洗濯を繰り返し、劣化した肌着が脳に与えるわずかなストレスなんです」。1,500倍の電子顕微鏡で繊維を覗き込み、100回洗濯しても毛羽立ちが少ないことを確認していく――目に見えない繊維のささくれすら許さないのです。この執念から生まれたのが、繊維を傷めずに白く仕上げる独自の漂白方法「連続2段階晒(レンゾクニダンカイサラシ)」や、型崩れや襟元のダレを軽減する「高密度生地」といった技術です。25年経った今も、変わらずに守られています。

「変えないために、技術を更新し続ける」。

その根底にあるプロ意識が、変わりゆく時代の中でも「ずっと変わらない上質さ・快適さ」を支えています。


「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25年以上変わらない肌着「快適工房」をPR担当の私が追いかけてみた


(左)新品繊維(中央)従来品洗濯100回後(右)「快適工房」洗濯100回後

変わる時代の中で、変わらず繋いでいきたいバトン

「快適工房」が25年以上、そしてグンゼが130年続いてきた理由。それは、ずっと快適が続くよう「人が無意識に感じるストレス」を徹底的に排除するという、愚直なまでの誠実さにありました。

大量にモノも情報もあふれるこの時代に、これほどまでに熱い想いが詰まった商品が、私たちの手元にあること。それを改めて知った今、社員一人ひとりが、この「怖いくらいの情熱」と「世代をつなぐ安心という名の愛情」を、次の世代へと伝えていく担い手なのだと感じています。

130年の歴史を背負いながら、「ずっと上質、ずっと快適」なきごこちを届けるための挑戦は、これからも続いていきます。

調べるほどに見えてきた、社員の「ブランド愛」と「商品愛」

25年以上前の開発データを探す。それは、デジタルネイティブ世代と呼ばれる私にとって、未知の冒険でした。「そんな古い資料、残っているのか…?」と半分疑いながら、面識のない他部署の先輩方に片っ端から連絡を取りました。

そこで目にしたのは、グンゼという会社の「良い意味でのきごこちに対する異常な程の情熱」です。

「これ使えるかな…」と苦笑いしつつも10数年以上前のパソコンデータをわざわざ立ち上げて当時のデータを掘り起こしてくれるベテラン社員がいたり、ホコリを被った紙のカタログ帳を宝物のように大切に保管し、カタログを開くと当時の話が止まらなくなる上司もいたり、「快適性の可視化」という苦労を懐かしむように、そして誇らしげに語る開発者もいたり。

「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25年以上変わらない肌着「快適工房」をPR担当の私が追いかけてみた


※実際のカタログ帳

資料の中に名前があった人が、今も現役で「もっと快適にできないか」と頭を悩ませている。その光景を目の当たりにしたとき、苦労は「感動」に変わりました。

一番の苦労は、情報の収集ではありませんでした。その膨大な「商品への愛」を、どうやって数枚のリリースに凝縮するか。その取捨選択にこそ、一番頭を悩ませました。

このプロジェクトは、単なる歴史の紹介ではありません。

「タイパ」や「コスパ」が重視される今だからこそ、あえて「非効率なまでのこだわり」を貫く日本企業の姿を見てほしかったのです。入社3年目の私が見つけたのは、ただの古い肌着ではなく、世代を超えて受け継がれる「愛のバトン」でした。

「グンゼ、ちょっと面白いな」

そう思っていただけたら、嬉しいです。この記事が、誰かのクローゼットの中にある「当たり前」の価値を再発見するきっかけになることを願っています。

公開ブランドスケジュール

「ブランド寿命12年説」を超えて―累計出荷枚数4.7億枚25年以上変わらない肌着「快適工房」をPR担当の私が追いかけてみた


関連リンク

快適工房 LP:https://www.gunze.jp/store/e/elongseller/

130周年記念サイト:https://www.gunze.co.jp/130th/

グンゼ公式YouTube:

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