株式会社Taste and Logicが開発・販売する「Nagaraハンディスープ」が、一般社団法人 フードアナリスト協会が主催する第63回ジャパン・フード・セレクション(2023年5月)にて、最高評価となる「グランプリ」を受賞しました。

「Nagaraハンディスープ」は、忙しい現代人に豊かな食事体験を届けるために作られた飲み口付きパウチ容器に入った本格的なスープです。
代表である原賀健史の多忙時代の経験から、手軽に栄養を補給できて食事も楽しめる“ハンディスープ”が誕生しました。

ブランドの代表である原賀健史に「Nagaraハンディスープ」が販売に至るまでの開発秘話や、起業時のきっかけ・苦労などについて話を聞きました。

真の当事者になるため起業家の道を選んだ

人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


株式会社Taste and Logicの代表を勤めている原賀は、もともとは会社員として働いていました。1社目は外資系化学・電気素材メーカー、2社目は外資系コンサルティングファーム、そして独立前は“美味しいトーストが焼けるトースター”で有名な家電メーカー「バルミューダ」でキャリアを積んできました。「技術、サービス、そして商品がユニークで面白いこと」が原賀のキャリア選択のひとつの軸でした。

原賀は起業のきっかけを「自らが当事者となりたかったから」だと語ります。外資系メーカーは、基本的に海外本社が操縦桿を握っていますし、コンサルタントはあくまでも支援者です。そんな中、3社目に経験したバルミューダの代表取締役社長である寺尾氏の自由さに強く影響を受けたと言います。

バルミューダは、DCモーターと二重羽根を組み合わせた「自然界の風を作り出す」扇風機を考えたり、独自のスチームテクノロジーと、1秒単位の細やかな温度制御をすることで「窯から出したばかりの焼きたての味を再現する」トースターを作ったり、自由な発想で世の中に新しい価値を提供してきた企業です。

代表取締役社長の寺尾氏は、誰よりも顧客・商品のことを考え、自分が欲しくなるものを作り、組織や外部の力を使ってそれを実現し、結果としてお客様が大喜びしている。「こんな楽しそうな仕事があるんだ。自分もいつかこうなりたい」(原賀)。そのころから会社員として働きながらも原賀の中で起業という選択肢が浮かんできていました。


バルミューダでマーケティングの仕事をしているうちに、原賀は「アイディアさえあれば、自分にも世の中に新しい価値の提案できるのではないか」ということに気付いたと言います。バルミューダでは企画や設計、デザインを社内で行いますが、製造は外部のパートナー企業が行います。家電を設計したりデザインすることはとても難しいですが、食品であればキッチンで商品開発ができる上、世の中にいる製造パートナーの力を借りることもできる。

幸いにも化学分野で技術職をしていた経験もあり、科学や実験の知見はある。「やりたい」と「できる」が重なったのであれば「やってみる」以外の選択肢はありませんでした。自分が考え、作り、届けた商品が多くの人の手に渡り、大喜びをしてくれる未来を想像し、原賀は株式会社Taste and Logicを創業しました。

食事の幸福感は人々の心を豊かにする

人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


「Nagaraハンディスープ」は、仕事・育児・勉強・プライベートなどで忙しい方でも栄養を摂取しながら食事の満足感を得られるものを作ろうと思い、開発した商品です。こ

のコンセプトは、原賀自身の経験から生まれました。

人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


原賀がコンサルタントとして働いていたころ、仕事に忙殺されていました。毎日大量の業務が舞い込み、全く時間が足りない。「自分だけ一日が26時間にならないかな?」(原賀)などと考える日々でした。しかし現実にはそんな奇跡は起きえません。時間が増えないなら、どこかの時間を削らなければならない。
そんな時に、真っ先に削られるのは食事の時間です。

時間がなく、しっかりと考える余裕がないから「手軽さ」が最優先となってしまい、食事が荒れる。現代でよく見る風景です。

そんな中、当時の原賀は、ランチを栄養が手軽にとれるプロテインに置き換えて生活をすることを決意します。時間をかけず、最高効率で栄養を摂取することを考えた合理的なプランでした。2週間ほどの置き換え生活の結果、意外にも体調面は良好でした。けれど心は違い、虚しさを感じたと言います。

「この生活、なんだかとても味気ないな」これが当時原賀が抱いた気持ちです。"食事をする”が"栄養を摂取する"に変わった瞬間、その行為は驚くほど簡素で寂しいものになってしまったと原賀は言います。

「美味しいとか、まずいとか、楽しいとか、そういった感情を一切持たず、"時間になったら補給する"という論理で、まるで飼育小屋での餌やりのように口にドロっとした液体を流し込む。しばらくこんな生活を繰り返していると、いつのまにか大事なものが無くなってしまったような、そんな気持ちになっていきました。」(原賀)

「食事が担っている機能は栄養摂取だけでなく、美味しさがもたらす幸福感がなにより重要」だということに原賀は気付きます。

多忙を極める現代では、忙しければ食事の質をあきらめることも仕方がないと考える人がほとんどです。
原賀は、この悲しい“あきらめ”に「NO」を突きつけるため、美味しさと食事の満足感を感じられるハンディフードの開発を決意しました。

そして原賀は、ハンディタイプながら食事感も得られるためには何が必要か。食事を食事足らしめている要素について仮説を立て、スーパーで材料を買いあさり、さまざまな試作品を作りました。朝から晩まで作っても、なかなか納得のいくものはできませんでしたが、そんな状況でも未知の事柄を解き明かす取り組みと将来出来上がるであろう自分の商品に原賀はワクワクしていたと語ります。

人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


実験を繰り返すうちに原賀はとある結論に辿り着きます。それは味の複雑性です。例えば、多くのカップラーメンの味は単一で深みがありません。一方で名店のラーメンは、たくさんのダシや素材を使い旨味・塩味・甘味・香りなどが幾重にも複雑に重なり変化することで、格別の味わいを生み出しています。

そうした複雑性は、市場に出回っている多くのハンディフードにはないものです。もし、複雑な味わいを持った商品を作ることができたら、頭一つ抜けた美味しさを実現できるのではないか。そうしてたどり着いた答えが「Nagaraハンディスープ」です。

人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


本格的なポタージュスープは、野菜、ブイヨン、スパイス等によりバランスを整えた複雑さを持っています。
「素材本来の味」ともまた違う、人の手が介在したからこその「巧の味」は美味しさと満足感をもたらします。

そうした背景から、持ち運べ、どこでも味わうことができる飲み口付きパウチに、本格的な冷製ポタージュスープを入れた「Nagaraハンディスープ」が誕生しました。

「この商品が人々の日々の暮らしをちょっぴり豊かにできれば、こんなにうれしいことはありません」と原賀は笑顔で語りました。

ハンディスープにとどまらず拡大していくNagaraブランド

人の心を豊かにするパウチ入りスープを開発。元ワーカホリックが考える幸せと食事の関係性


「Nagaraハンディスープ」は、現在「フルーツトマトのガスパチョ」、「雪人参と甘夏のスムース・ラペ」、「ピュアホワイトのコーンポタージュ」と、3種類のスープを販売しています。それぞれ製法や味、風味にこだわり、野菜ジュースやスムージーにはない魅力を持っています。

一方で、Nagaraブランドとしてはハンディスープだけのラインナップにとどめるつもりもないそうです。「忙しくても、美味しさをあきらめない」というスローガンや「美味しくて、便利で、健康的」というラインナップの特徴はそのままに、ハンディスープでない食品も現在開発なのだとか。

「Nagaraはスープ屋さんではなく、あくまでも多忙を極めた現代人によりそうフードブランドという立場を取りたいと考えています。どんなに忙しくても、美味しいものを食べる幸せをあきらめなくてもすむように、これからもユニークな商品を作っていこうと画策しておりますので、どうぞご期待ください!」と原賀は最後に語りました。
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