
サッカーは美しいスポーツであるが、その一方でピッチ上で繰り広げられる激しさもまた競技の魅力の一つである。
今回は『Givemesport』から「21世紀で最もイエローカードとレッドカードをコレクションした選手たち」のTOP10をご紹介する。
10位:シャビ・アロンソ
イエローカード枚数:195枚
レッドカード枚数:6枚
シャビ・アロンソはレアル・マドリーやリヴァプール、そしてスペイン代表で活躍した中盤の天才だ。その正確無比なパスと試合を読む力で、どのチームにおいても重要な役割を果たした。
しかし、そんなアロンソでも熱くなりすぎる場面は少なくなく、その大きくない体で守備的なポジションを務める弊害も出ていた。激しいタックルや相手を止めるためのファウルで、キャリア通算201枚ものカードを受けている。
特に守備的MFとして、危険な状況を未然に防ぐために戦術的なファウルを行うことが多かったのだろう。現在はレヴァークーゼンの監督として、サッカー界にその知性を還元している。
9位:スコット・ブラウン

イエローカード枚数:203枚
レッドカード枚数:9枚
スコット・ブラウンはその激しさとタフネスで知られるスコットランドのMF。特にセルティックでの活躍が有名で、中村俊輔など日本人選手ともともにプレーした伝説的なキャプテンである。
彼はオールドファーム・ダービーのような激しい試合で輝きを放った。そのプレースタイルはまさに「フィジカル重視」で、ハードなタックルや挑発的な態度で相手選手を追い込む場面が多々見られた。
その結果キャリアで9回の退場を経験し、合計212枚ものカードを受けている。彼のプレーは一部のファンから「激しすぎる」と批判されることもあったが、その闘志と存在感はチームにとって欠かせないものだった。
8位:ハビエル・マスケラーノ

イエローカード枚数:201枚
レッドカード枚数:12枚
アルゼンチン代表としても活躍したハビエル・マスケラーノは、リヴァプールやバルセロナでその才能を発揮した守備的MF。センターバックでも遜色なくプレーできるディフェンスセンスが魅力だった。
彼のボール奪取能力やタクティカルなプレーはトップレベルだったが、その反面熱い性格が災いしてカードを受ける場面も多かった。
特にウェストハム時代には若さもあってトッテナム戦でジャーメイン・デフォーに噛みつくという事件も起こし、その荒々しさは一部で問題視された。それでも、彼のタックルと守備能力はトップクラスで、12回の退場という記録にもかかわらず、どのチームでも重要な存在だった。
7位:ラウール・ガルシア

イエローカード枚数:206枚
レッドカード枚数:8枚
スペイン代表MFのラウール・ガルシアは、オサスナ、アトレティコ・マドリー、アスレティック・ビルバオでキャリアを築いた玄人好みの選手だった。攻撃的MFとしてゴールを狙うだけでなく、中盤でのタフなプレーで相手にプレッシャーを与えた。
20年にわたるキャリアの中で彼は151ゴールと70アシストを記録しているが、それ以上に印象的なのが214枚ものカードを受けたことだ。タックルや競り合いで時折見せる荒々しい一面と、ディフェンスへの貢献を失わない姿勢が、この驚くべき数字に繋がったと言えるだろう。
6位:セルヒオ・ブスケツ

イエローカード枚数:213枚
レッドカード枚数:4枚
バルセロナのレジェンドであるセルヒオ・ブスケツは、MFとしてその冷静さと知性を武器に長年チームを支えた「プレーメーカー」である。中盤の底からゲームコントロールするセンスは世界中に衝撃を与えた。
しかし守備的MFというポジション柄、相手選手を止めるために激しいタックルやファウルを行うことも少なくなかった。
その結果キャリア通算で217枚のカードを受けている。特にバルセロナの黄金期では、攻撃陣を支える縁の下の力持ちとして活躍した一方、前線でのミスが起こった際には汚れ役にならざるを得ない場面も多かった。
5位:ペペ

イエローカード枚数:210枚
レッドカード枚数:17枚
ポルトガル代表やレアル・マドリー、FCポルトなどで活躍したセンターバック。彼は荒々しいプレーと激しいタックルで有名で、数多くのストライカーを恐れさせた人物だ。
その強烈なプレースタイルはファンを魅了する一方で、批判の的になることも多かった。キャリア通算227枚のカードのうち17回は退場。
それでも、その守備力とリーダーシップは高く評価されており、2024年に引退するまで長く第一線で活躍を続けた。
4位:アルトゥロ・ビダル

イエローカード枚数:227枚
レッドカード枚数:13枚
ビダルはバイエルン・ミュンヘンやユヴェントス、バルセロナ、インテルといったビッグクラブを渡り歩き、数多くのタイトルを獲得した万能型MFだ。
しかし、そのプレースタイルは非常にフィジカル的であり、荒っぽいタックルやレフェリーへの抗議でカードを受けることが多かった。キャリア通算240枚のカードはその象徴である。
どのチームでも欠かせない存在でありながら、時折リスクを伴うプレーを見せる選手でもあった。現在も母国チリで現役を続けており、この記録はさらに更新されていくだろう。
3位:ダニ・アウヴェス

イエローカード枚数:236枚
レッドカード枚数:14枚
バルセロナをはじめ、ユベントスやPSGで活躍したダニ・アウヴェスは、攻撃的なサイドバックとして名を馳せた。リオネル・メッシに数多くのゴールをお膳立てし、世界で最もタイトルを取った選手の一人にもなった。
彼の攻守に渡るアグレッシブなプレーはチームに大きな貢献をしたが、同時にカードを提示される頻度も高かった。
250枚のカードを受け、そのうち14回で退場を経験。その情熱的なプレースタイルが光る一方で、最終的には性的なスキャンダルによる逮捕によってキャリアに影を落とした。
2位:フェリペ・メロ

イエローカード枚数:254枚
レッドカード枚数:25枚
ブラジル代表で一時中心的な役割を果たしたことで知られるフェリペ・メロは、ユヴェントスやガラタサライ、フルミネンセなどでプレーした荒々しいMFである、
彼は中版で守備的な役割を果たしながら、相手選手に対する厳しいプレーで恐怖を与えることを得意としていた。ワールドカップでの踏みつけによる退場も彼のキャリアのハイライトである。
通算25回の退場と254枚のイエローカードを受け、その攻撃性がしばしばチームにとってリスクとなった。
1位:セルヒオ・ラモス

イエローカード枚数:268枚
レッドカード枚数:29枚
セルヒオ・ラモスはこのランキングの頂点に立つ、21世紀における「最強で最も荒々しいディフェンダー」だ。
セビージャ、レアル・マドリー、PSGでプレーした彼は、攻撃力と守備力を兼ね備えた選手として知られる一方、カードをもらう頻度でも突出している存在である。
29回の退場と268枚のイエローカードを記録し、その激しいスタイルはファンを魅了すると同時に、相手選手を恐れさせた。現在フリーエージェントとなっているが、再びピッチに戻ればさらなる記録更新も期待される。