
近年では戦術面が大きくピックアップされるようになったサッカーであるが、基本はやはりボールを扱う技術である。どのような組織があっても、パスとシュートが蹴れなければ試合にならないものだ。
そのなかでもまるで芸術のようにボールを止める選手は「サッカーの神」といえる存在だ。今回は『GMS』から「サッカーの歴史上最もファーストタッチが素晴らしかった選手」をご紹介する。
10位:マルセロ
主な所属クラブ:レアル・マドリーなど
クリスティアーノ・ロナウドとの左サイドの連携でレアル・マドリーの黄金時代を築いたマルセロ。彼のファーストタッチは、夢のような正確さで、まるでボールを自分の足元に自然に吸い寄せるかのようだった。
クロスボールやロングパスを受けた瞬間に、ボールを完全に止めてしまうその技術。フォワードではなくても世界最高峰のプレーヤーに匹敵しており、レアル・マドリーは彼がサイドバックにいたからこそ特別なチームになったのだ。
9位:ディエゴ・マラドーナ

主な所属クラブ:ナポリ、バルセロナ、ボカ・ジュニオルスなど
とてつもないゴールを決めたり、奇妙なドリブルで相手を翻弄したりマラドーナはサッカーの全てを魅せてくれた。特にボールを止める際のファーストタッチは『神業』と呼ぶにふさわしい。
小柄な体に似合わぬ卓越したボールコントロールは、どんな状況でもボールを自在に操るものだった。ナポリ時代の映像を見れば、そのタッチの妙技に何度でも釘付けになること間違いなしだ。
8位:メスト・エジル

主な所属クラブ:レアル・マドリー、アーセナルなど
ドイツ代表でもレアル・マドリーでもアーセナルでも輝いたプレーメーカーであるメスト・エジルは、まさにファーストタッチにかけては魔法使いであった。
初期に見せたその滑らかなタッチは、プレミアリーグに新たな風を吹き込んだ。まるで吸い付くような正確なボールコントロールは、彼が小さな頃から鍛え上げた技術の賜物だ。かつてはメディシンボールでジャグリングするトレーニング法を実践していたという逸話も、彼の技術の奥深さを物語っている。
7位:ヨハン・クライフ

主な所属クラブ:アヤックス、バルセロナなど
「ボールに触れることは、最高のテクニックだ。だが、完璧なタッチを身につけるには、10万回の練習が必要だ」と語ったクライフ。
『クライフターン』の生みの親としても知られるトリックマスターでもあり、そのファーストタッチはまさに夢のようだった。相手ディフェンダーを翻弄し、試合の流れを作るその技術は、今なおサッカーの教科書と呼ばれるにふさわしい。
6位:ネイマール

主な所属クラブ:バルセロナ、PSGなど
様々なトリックプレーの中に派手さを加えてくるのがネイマールの特徴だ。一時期のサッカー界を席巻したスーパースターは、ファーストタッチにおいてもトップクラス。
速いテンポの攻撃の中、ボールをしっかりと自分の足元に収めるその技は、ディフェンダーが近づく前に一瞬で勝負が決まってしまう。派手さと正確さを兼ね備えたタッチは、見ているだけで心が踊るようなものだ。
5位:ジネディーヌ・ジダン

主な所属クラブ:ユヴェントス、レアル・マドリーなど
ときには瞬間湯沸かし器のように怒りを見せたものの、ボールとともにいるときは常に冷静沈着。 右足でのファーストタッチが特に神業のようであった。
鋭いパスでも柔らかく受け止めるその技術は、まるでバレリーナのような優雅さだった。試合中ボールを自在に操り、常に信頼のおける司令塔としてチームを牽引。高い知性と技術が融合したそのプレーはサッカー界の宝だった。
4位:ディミータル・ベルバトフ

主な所属クラブ:レヴァークーゼン、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドなど
ゴール前での得点力は控えめかもしれないが、ベルバトフのテクニックについては「圧巻」のひとこと。プレミアリーグで活躍していた全盛期は、長いボールを受けた瞬間のファーストタッチが「パーティートリックのように自然で見事」と言われた。
自ら絵を描くことも得意というアーティストであり、ボールを一瞬で芸術にするその技によって一目置かれる存在になった。
3位:リオネル・メッシ

主な所属クラブ:バルセロナ、PSGなど
リオネル・メッシは、その圧倒的なドリブル、信じられないようなゴール前の冷静さ、そして予想もつかないパスセンスだけではない。彼の足元には、まるでボールがくっついているかのようなファーストコントロールがある。
狭いスペースでのファーストタッチは相手を翻弄し、何もないところからチャンスを生み出す。メッシがピッチに立つと、いつもその技術の粋が垣間見える。どんな状況でもボールを失わない、その正確さは世界中のファンを魅了し続けている。
2位:デニス・ベルカンプ

主な所属クラブ:インテル、アーセナルなど
「天才」と呼ばれたオランダ代表FWのベルカンプは、受けたパスを一瞬で味方の攻撃に変える能力で知られる。ニューカッスル戦で見せた信じられないようなゴールは、彼のファーストタッチの妙技を象徴している。
アーセナル黄金時代の核として、ベルカンプは速さやパワーではなく、冷静かつ華麗なタッチで試合を支配。彼の技術は、今でも多くの選手やファンの憧れとなっている。
1位:ロナウジーニョ

主な所属クラブ:バルセロナ、ミランなど
ロナウジーニョのファーストタッチは、言葉では表現しきれないほどの芸術性がある。数々のプレー映像を見れば、いつの時代でも彼の魅力が伝わってくる。
年齢を重ねても、そのプレーのイメージは色褪せることなく、サッカーを愛する全ての人にとってのインスピレーションとなっている。ロナウジーニョほど、サッカーに魔法をかけられる選手は他にいなかった。