
サッカー選手としてのキャリアは短いもので、ほとんどのプレーヤーは引退後に新たな仕事で生活しなければならないものだ。解説者や指導者になる者ばかりではなく、サッカーから離れる人物も数多い。
今回は『Planet Football』から「信じられないほど普通の仕事に就いたサッカー選手」をご紹介する。
マルコ・ガッビアディーニ
所属したクラブ:サンダーランド、ダービー・カウンティなど
引退後の仕事:ホテル経営
かつてサンダーランドやダービーで活躍したストライカーで、リーグ通算226ゴールを誇る名手。2004年に膝の負傷で現役を退くと、家族と共にヨークに移り住み、ヴィクトリア様式の邸宅をリノベーションしてB&Bのホテル「Bishops」を開業した。
宿泊施設はとても上品な内装で、2012・2014・2015年の「ヨーク観光アワード」で最優秀賞を受賞。プロ選手時代とは違った形で、多くの旅行者に癒しとくつろぎを提供しているのだ。
アルヤン・デ・ゼーウ

所属したクラブ:ウィガン・アスレティック、ポーツマスなど
引退後の仕事:警察官
ウィガンやポーツマスでキャプテンを務めたアルヤン・デ・ゼーウ。オランダ出身の名選手であったが、2008年にイングランドを離れて帰国し、アマチュアのADO'20でプレーしたあとに引退した。
彼はもともと医学を勉強していたことから引退後は医者になる予定だったが、サッカー選手としてのキャリアが思ったよりも長くなってしまったため、それを断念。そのかわりに医学知識を生かして法医学専門の警察官として働くことにした。
ギャヴィン・ピーコック

所属したクラブ:ニューカッスル、チェルシー、QPRなど
引退後の仕事:牧師
ニューカッスルやQPR、チェルシーなどでプレーしたピーコックは、引退後にメディア業界で解説者としてキャリアを重ねたものの、EURO2008でBBCの放送に関わったのを最後に辞任した。
なぜなら、その大会後に牧師を夢見てカナダへと飛び立ったからだ。「聖書を読んでいたとき、心の奥底から燃え上がるものを感じた。ただ読むだけでなく、教えたいという思いを。そうせざるを得ない衝動でもあった」
そう語ったピーコックはカナダで神学を学び、カルガリーのカルバリーグレース教会で副牧師を務めたあと、2025年にイギリスへと戻っている。
ネイサン・ダラリエ
Daily Dale
Nathan D'Laryea - 10 apps (signed from Man City)
An injury plagued spell saw D'Laryea have to retire from football during his time at Dale. Now head of maths at a Manchester secondary school pic.twitter.com/7ghqk50qbI
Rochdale F.C. Photos (@DySporting) January 24, 2024
所属したクラブ:マンチェスター・シティ、ロッチデールなど
引退後の仕事:数学教師
マンチェスター・シティの下部組織ではマイカー・リチャーズらとともに有望な若手だと期待されたネイサン・ダラリエ。ただ、彼は数々の怪我に加えて心臓の病気まで判明し、早期の引退を余儀なくされた。
彼はその後教師に転向し、マンチェスターの学校で数学を教えている。彼はメディアに対して「プロサッカー選手になりたいという若い子がたくさんいる。そのような子に『夢をあきらめないで、しかし現実的にもなりなさい』と語りかけているよ」と話していたとか。
デイヴィッド・ハイラー

所属したクラブ:アーセナル、ポーツマスなど
引退後の仕事:消防士
アーセナルでプロデビューし、数々のタイトルを獲得したMF。1991年にはイングランドのU-21代表にも選出された経験を持っている。2002年にブリストル・ローヴァーズを退団したあとに引退し、数年後に消防士へと転向した。
さらに消防士をしながらアマチュアクラブの監督を務めたり、アーセナルTVでのコメンテーターやチャリティーイベントでのゲストなどで活躍している。
サイモン・ガーナー

所属したクラブ:ブラックバーン・ローヴァーズ、WBAなど
引退後の仕事:塗装工、内装工
現在大橋祐紀が所属するブラックバーン・ローヴァーズの歴代最多得点者として知られているストライカーで、公式戦194ゴールという記録を持っている名選手。2000年に現役を引退したあとは様々な仕事をしたという。
住宅ローンのブローカーや郵便配達員を経て、最終的には塗装工と内装工として生きていく道に落ち着いた。
「マンチェスター・シティ相手にハットトリックをしたり、3部リーグのどん底で湿っぽい夜を過ごしたり、目まぐるしい人生だった。人は生活を続けてお金を稼がなければならないものだし、人生は続いていくよ」