J2ジェフユナイテッド千葉DF鈴木大輔が明かす相方CBの金言「紙一重の戦いだった」
J2ジェフユナイテッド千葉DF鈴木大輔が明かす相方CBの金言「紙一重の戦いだった」

[J2第16節、ジェフユナイテッド千葉 0-0 ベガルタ仙台、5月17日、千葉・フクダ電子アリーナ]

首位の千葉は3位仙台に引き分け、リーグ戦2連勝とはならなかった。

DF鈴木大輔主将はセンターバックで先発フル出場し、気迫あふれるプレーでクリーンシートに貢献。

背番号13を中心にアウェイチームの猛攻を防いだイレブンだったが、キャプテンは「紙一重の戦いだった」と危機感を口にした。

鈴木大輔の相方CBがイレブンへ伝えた金言

J2首位を走る千葉は、今節を含む直近3試合でいずれも上位6位以上のチームと戦っており、1勝1敗の成績で仙台戦を迎えた。

第14節のRB大宮アルディージャ戦を1-2で落としたが、続くFC今治戦は1-0で辛勝。イレブンはアウェイでもぎ取った勝点3の価値を理解している。

鈴木大は、今治戦の前にDF鳥海晃司が仲間たちへ共有した金言を明かした。

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チームを鼓舞する鈴木(中央)と鳥海(右)

「トリ(鳥海)は『流れを自分たちの手で掴むか、それとも離してしまうか、ふわふわした状態にいる。でも自分たち次第で流れをまた掴めるはずだ』と言っていました。今治に対して勝点を取ったり、きょうみたいな戦いで勝ち切ることやポイントを与えないことで、ふわふわした流れを自分たちに手繰り寄せることができる、と伝えてくれた。

その通りですし、結局のところ一番大事にしている自分たちにベクトルを向けてやり続けるという部分が、運や流れを持ってくる上で大事な要素だと思います」

この日、背番号13は鳥海とのセンターバックコンビで先発出場した。前半は拮抗した展開となり、ショートカウンターを中心に攻め立てたアウェイチームの前に、阿吽(あうん)の呼吸を見せたキャプテンと背番号24が立ちはだかった。

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ビルドアップに貢献した鈴木

鈴木大は「全体をコンパクトに保つことができれば、相手が前から(プレスに)来ても、チームとしては怖くない。そこの意思疎通が今年はうまくいっています。サイドが広がると間に(パスを)出されてしまいますし、 ボランチが広がるとセンターバックの前のスペースを使われてしまいますが、そこのスペースを使われても、後ろに僕らがいるので大丈夫です」と頼もしい。

フクアリに詰めかけた1万4261人の観客へ勝利を届けようと、身体を張ったディフェンスを披露し続けた。キャプテンは後方からのビルドアップでもチームに貢献。相手のプレッシャーに臆さず、ボールを回し続け、攻撃を活性化させたが、チームは得点を奪えなかった。

紙一重の戦いを制するために

この日、サイドアタッカーのMF椿直起とFW田中和樹を中心にアタックし、ペナルティキック含む計9本のシュートを放った千葉だったが、仙台GK林彰洋(あきひろ)の牙城を崩せなかった。

鈴木大は「サイドは警戒されている」とイレブンの課題を指摘した。

「自分たちの強みは速い攻撃ですが、しっかりと対策された。そこをどうやって打開するのかが、また一つのポイントになると思います。(攻撃の)引き出しが一個しかないと、相手も対策しやすい」

J2ジェフユナイテッド千葉DF鈴木大輔が明かす相方CBの金言「紙一重の戦いだった」
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ここまでリーグ戦16試合2得点4アシストの背番号14と、リーグ戦15試合2得点2アシストの背番号7が駆け抜ける千葉の両サイドは強力だが、それ以外の攻撃手段も構築したい。

前後半を通じてボールを保持したが、枠内シュートはペナルティキック1本に留まった。主将はゲームを支配する時間が長かったからこそ、二の矢、三の矢と手を打つべきだったと反省した。

「何かサプライズを起こすような立ち位置だったり、相手が嫌なことをするべき。きょうだったら、僕とトリ(鳥海)がボールを持っていたので、簡単に裏へ蹴ってセカンドを拾うとか、奪ってから縦パスを入れるとか、もっと効果的に攻めれたんじゃないか。

あとは、ボールを回しながらでも違うポジションを取って、相手の嫌なところに入っていくみたいなプレーは必要だったと思います」

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集中したプレーを90分間披露した鈴木(左)

攻撃面での苦戦を強いられ、得点を奪えないまま試合終了。惜しくも勝利できなかったが、イレブンは計14本もの被シュートを浴びながらも、集中したディフェンスで3位仙台を完封し、貴重な勝点1を手にした。

試合後、仙台戦を含む直近3試合での1勝1分け1敗という戦績を振り返った鈴木大は「どれも本当に紙一重の戦いだった。どちらに転がってもおかしくない試合をものにできたところもあるし、負けてしまったところもあります。だけどポイントを積み上げるという意味では、そんなに悪くないと思います」と評価した。

その上でキャプテンは「ただ、危機感を持たなければいけない課題も毎週出ている。きょうにしても、しっかりとブロックを作ってくる強固な相手に対して、どうやって攻撃するか考えていかないと、これからどんどん厳しくなる」と危機感を口にし、オフェンス面での改善は急務だと呼びかける。

次節は25日午後2時にアウェイのPEACE STADIUM Connected by SoftBankでV・ファーレン長崎と対戦する。

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鈴木

鈴木大は首位堅持に向けて「この5月は、自分たちがもう一度流れをつかむための大きなターニングポイントだと思っている。次の試合も長崎のアウェイで厳しい戦いになりますが、勝ち切る流れに戻すために何が必要か、考えてやっていかなくてはいけない」と、リーグ戦2試合ぶりの白星に向けて気を引き締めている。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)

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