16日に全国で15試合行われた第105回天皇杯3回戦では、2つの試合でGKがゴールを決めるという異常事態が起きた。
一人目は、JFLラインメール青森のGK廣末陸。
廣末は、天皇杯2回戦の横浜F・マリノス戦では前半35分に先制点となるPKを沈め、2‐0での勝利に貢献。この日の得点が2試合連続ゴールとなった。
なお、廣末はFC東京からラインメール青森に移籍した2021年から5年連続で公式戦ゴールを記録しており、日本では有数の「点を決めるGK」として知られている。
そして二人目は、J1京都サンガF.C.のGK太田岳志だ。横浜FCとの試合で1点のビハインドを負っていた延長後半14分に、コーナーキックから仲間が落とした浮き球を冷静に振り抜いてゴールを決めた。
GKのゴールと言えばPKやヘディングの印象が強いが、太田が決めたのは豪快なボレーシュート。
観客と共に喜びを爆発させた太田は、そのまま突入したPK戦でもセーブで魅せた。横浜FCの選手が放った2つのシュートを完全にストップし、京都のベスト16入りに貢献したのだ。
今年で35歳となる太田は、2013年にFC岐阜に加入するもスタメンを奪いきれず東京ヴェルディ、カターレ富山へと渡るも出場数を伸ばせなかった苦労人だ。
2020年から加入した京都でも厚いGK陣の前になかなか出場機会を得られなかったが、今季は現在3位の京都の躍進を最後尾から支えている。
GKのゴールには、ただ物珍しいというだけではない独特の魅力がある。