「エースの海外移籍」が失速の原因…現日本代表選手の流出をドイツ人指揮官が嘆く
「エースの海外移籍」が失速の原因…現日本代表選手の流出をドイツ人指揮官が嘆く

J1リーグ2位のサンフレッチェ広島は10日、第36節で浦和レッズと対戦し0-3と大敗を喫した。

首位のヴィッセル神戸が1時間前にキックオフされた試合で引き分けたため、広島は勝利すれば首位に返り咲く状況だった。

開始から畳みかけるように攻撃を仕掛けたが、二桁を超えるシュートはいずれもネットを揺らせず。逆に一本のカウンターから浦和に先制を許すと、後半、2点を失って突き放された。

広島を率いるドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督は試合後、「たくさんチャンスを作ることができていましたが、ここ数試合と同じようにそれをゴールに繋げることができませんでした」と嘆いた。

前半は多くのチャンスを逃し、わずかな隙を突かれての失点。

「1失点目の動揺が後半の頭に切り替えられなかった」と指揮官が振り返ったように後半は浦和に主導権を握られ、成すすべなく敗れた。

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浦和戦でのスキッベ監督

今季のJ1リーグは昇格組の町田ゼルビアが首位を快走したが、8月末に広島が捉えた。

そのまま2015シーズン以来となる優勝へ突き進むかと思われたが、10月19日に行われた湘南ベルマーレ戦で逆転負けを喫すると、以降、京都サンガ、浦和に敗れて3連敗に。

優勝目前から一転前年王者の神戸に逆転を許し、残り2試合で勝点3を追いかける苦しい状況に追い込まれている。

急な失速はなぜ起きたのだろうか。

「大橋祐紀がいなくなったのが一番大きいと思います。彼自身、シーズン半分しかいませんでしたが、15点取るようなストライカーでした。その穴がいまだに埋めきれていないと考えています」

広島は今夏、MF川村拓夢(レッドブル・ザルツブルク)、FW大橋祐紀(ブラックバーン)がヨーロッパ移籍のために退団。

その代わりに元ドイツU-21代表MFトルガイ・アルスラン、元ポルトガル代表FWゴンサロ・パシエンシアを獲得した。

アルスランは加入直後にゴールを量産し、パシエンシアも早々に初得点を決め、二人の穴は埋まったかと思われた。

だが3連敗中の得点はわずかに1。ヨーロッパでの経験も豊富な指揮官は、得点源だった大橋の離脱がいまだに響いていることを明かした。

「エースの海外移籍」が失速の原因…現日本代表選手の流出をドイツ人指揮官が嘆く
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広島のエースだった大橋は、英移籍後に得点を量産して日本代表に初招集された

なお広島はACL2も並行して戦っており、浦和戦の前には南半球のシドニーで試合を行ったばかりだった。

過密日程による疲労もあるのだろうか。

しかしスキッベ監督は「疲労というよりは、このJリーグ自体が、上から下まで、どの順位にいるチームも均衡した実力を持っているがための結果になっていると思っています」とこれを否定していた。

※監督コメントはJリーグおよび広島公式より抜粋

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