
サッカーにおいて常に話題を集めるのは若手選手。将来を嘱望される10代の選手は特にファンやメディアから期待を持たれる存在となる。
今回は『Planet Football』が紹介していた「2019年にGoalが選出していた世界最高のワンダーキッズ」をご紹介する。ちなみにアーリング・ハーランドは33位だったとのこと。
10位:モーガン・ギブス=ホワイト
生年月日:2000年1月27日
当時の所属クラブ:ウォルヴァーハンプトン
現在の所属クラブ:ノッティンガム・フォレスト
国籍:イングランド
モーガン・ギブス=ホワイトは2019年にウォルヴァーハンプトンでプレーし、パスレンジの広さで話題を呼んだ。2018-19シーズンはベンチスタートが多かったもののプレミアリーグで26試合に出場し、大きな注目を集める19歳だった。
ただ2019-20シーズンはわずか7試合の出場に終わり、スウォンジー・シティとシェフィールド・ユナイテッドへのローン移籍を経験。そして2022年夏に2950万ユーロでノッティンガム・フォレストへと買い取られた。
それから移籍初年度でフォレストの年間最優秀選手に選ばれ、2年目にはチームの重要な部分を任されるようになった。ようやくその才能を完全に開花させた彼には、ニューカッスルが強い興味を示していると言われる。
9位:モイーズ・キーン

生年月日:2000年2月28日
当時の所属クラブ:ユヴェントス
現在の所属クラブ:ユヴェントス
国籍:イタリア
2019年、モイーズ・キーンの周りには多くの興奮があった。19歳という年齢でありながら、ユヴェントスで5試合連続ゴールを決めるなど、世界最高クラスの若手ストライカーだと話題になった。
この『Goal』のリストが表に出た数週間後、彼はエヴァ―トンへと驚くべき移籍をした。その理由はイタリアでの人種差別だと言われているが、彼はその後PSGへのローン移籍を経てユヴェントスへと戻った。
今季は17試合に出場してノーゴール、しかも怪我にも苦しめられるなど苦戦。当時のインパクトを考えれば現在の状況は少し残念なものだ。
8位: ディエゴ・ライネス

生年月日:2000年6月9日
当時の所属クラブ:レアル・ベティス
現在の所属クラブ:ティグレス
国籍:メキシコ
2017年にクラブ・アメリカからレアル・ベティスへと引き抜かれ、16歳でスペインへと渡ったメキシコ人アタッカー。
小柄な体格、素晴らしいドリブル突破、そして切れ味鋭い左足の技術。似たようなプレースタイルからリオネル・メッシとも比較されていた。ただ、それはまるで彼にとって呪いのようだった。
リーガでは4シーズンを過ごしたがカップ戦でしかゴールを決められず、2023年には母国のティグレスへと移籍。
まるで都落ちのようにも見られているが、メキシコ代表には継続的に選ばれており、まだ23歳という若さだ。キャリアを再建するチャンスはいくらでもある。
7位:サンドロ・トナーリ

生年月日:2000年5月8日
当時の所属クラブ:ブレシア
現在の所属クラブ:ニューカッスル・ユナイテッド
国籍:イタリア
彼がこのリストで7位にランクインされたとき、トナーリはまだイタリア2部のブレシアでプレーしていた。にもかかわらずすでにイタリア代表にも選ばれており、あらゆるジャーナリストから「NEXTアンドレア・ピルロ」と称された。
ただ、彼はピルロとは違った成長曲線を描いた。技術的なものに加えてピルロよりも遥かに戦闘的であり、相手のテンポを阻害することができる。
2020年には自身がファンであったミランへと移籍して3シーズンを過ごしたあと、今季巨額の移籍金でニューカッスル・ユナイテッドへと加入した。
ただ違法ギャンブルに関わったことが明らかになり、10月から10ヶ月もの出場停止処分を受けることになった。そろそろピッチに戻ってくるはずだが、そのブランクはどう影響するか。
6位:アルフォンソ・デイヴィス

生年月日:2000年11月2日
当時の所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン
現在の所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン
国籍:カナダ
アルフォンソ・デイヴィスをここに加えたのは賢明な選択だったと思える。彼はまさにこの年代最高クラスの選手だった。
2019年1月にバンクーバー・ホワイトキャップスからバイエルン・ミュンヘンへと加入したばかりだったが、その後アタッカーからサイドバックにコンバートされたことがきっかけで大ブレイクした。
圧倒的なスピード、前線に進んだ際の突破力とクロスの精度。まさに理想的な現代のサイドバックとして活躍し、多くのトロフィー獲得に貢献している。
5位:ロドリゴ

生年月日:2001年1月9日
当時の所属クラブ:サントス
現在の所属クラブ:レアル・マドリー
国籍:ブラジル
当時はまだサントスでプレーしていたロドリゴ。ただ2018年夏の段階ですでにレアル・マドリーと契約を結んでおり、2019-20シーズンからはスペインで戦うことが決まっていた。
加入当初はBチームでプレーすることになっていたが、わずか3ヶ月でトップチームに昇格することになり、いきなり活躍。18歳でその才能を見せつけた。
その後しばらく出場機会が減少することもあったが、2021-22シーズンには再びチームの重要な存在となり、前線の欠かせないプレーヤーの一人となった。
先発出場でも途中出場でも力を発揮し、そしてビッグマッチにこそ強さを見せる。そのプレーは高く評価され、昨年末には2028年までの契約延長を勝ち取っている。
4位:フィル・フォーデン

生年月日:2000年5月28日
当時の所属クラブ:マンチェスター・シティ
現在の所属クラブ:マンチェスター・シティ
国籍:イングランド
2017-18シーズンに若くしてプレミアリーグにデビューしたフォーデン。2018-19シーズンは13試合で1ゴールとグアルディオラ監督によって徐々に出場機会を与えられ始めている立場だった。
そしてこのリストに入ったあとの2019-20シーズンは23試合で5ゴールと成績を向上させ、2020年夏にはイングランド代表にも初招集されるなど飛躍の年となった。
現在ではマンチェスター・シティのほぼすべての試合に出場するなどチームの根幹を担う選手の1人となっており、23歳にしてその影響力は非常に大きなものとなっている。
3位:カラム・ハドソン=オドイ

生年月日:2000年11月7日
当時の所属クラブ:チェルシー
現在の所属クラブ:ノッティンガム・フォレスト
国籍:イングランド
カラム・ハドソン=オドイがトップチームに加わったとき、まだ16歳だった。イングランドのユース代表や年代別のカテゴリーで見せてきた才能は明らかなものだった。
ただ、チェルシーというビッグクラブであったことが難しかった。経営上の混乱もあって、純粋なウイングだった彼はウイングバックや途中出場のジョーカーとして使われ、理想的な状況ではなかった。
2022-23シーズンのレヴァークーゼンへの期限付き移籍でもそれほど活躍はできなかったものの、今季のノッティンガム・フォレストではここまで25試合に出場して5ゴールを奪取。キャリアで最も多くの時間でプレーしている。
2位:ヴィニシウス・ジュニオール

生年月日:2000年7月12日
当時の所属クラブ:レアル・マドリー
現在の所属クラブ:レアル・マドリー
国籍:ブラジル
今や世界で5本の指に入るアタッカーとなったヴィニシウス・ジュニオール。ウイングでも2トップの一角でも機能する器用さと技術、そして得点力まで備えた選手になった。
この頃はまだ「才能はすごいが決定力がない」と言われ、かつてのロビーニョと比較されていた。しかし2021-22シーズンに突如その得点感覚を開花させ、シーズン17ゴールを奪取した。
それから彼は急速に破壊的な選手となった。今季は特にジュード・ベリンガムやロドリゴと若手トリオを組んで素晴らしい機能性を見せている。
1位:ジェイドン・サンチョ

生年月日:2000年3月25日
当時の所属クラブ:ボルシア・ドルトムント
現在の所属クラブ:ボルシア・ドルトムント
皮肉なことに、このリストの1位になったジョイドン・サンチョはこの数年複雑なシーズンを過ごしてきた。
ボルシア・ドルトムントでプレーしていた彼は本当に素晴らしいアタッカーであり、ゴールとアシストの両面で活躍でき、個人でも組織でも生きた。しかし、それはマンチェスター・ユナイテッドへの移籍で壊れてしまった。
エリック・テン・ハフ監督の下で批判のターゲットになり、指揮官から公然と態度の問題を指摘された。SNSで反論した彼はチームから追放され、練習もアカデミーで行なわなければならなかった。
そして今年はドルトムントへとローン移籍することになり、再びジェイドン・サンチョを再発見した。エリック・テン・ハフがマンチェスターにいる限りは、彼はこのままドイツに残ることを願うだろうが。