29日、テレビ静岡のサッカー番組『サカろう』に元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏がゲスト出演した。

1998年に日本代表監督に就任し、2002年の日韓ワールドカップでも指揮をとったトルシエ氏。

番組では「W杯優勝へ日本サッカーへの提言」をテーマに、長年の指導経験を踏まえた自論を展開した。

番組内で同氏は、代表監督の戦術や選手起用に関して、自身の哲学を明かした。

トルシエ氏はまず、代表監督には大きく分けて2つののタイプがあると説明。

ひとつは「選手の所属クラブの戦術を取り入れ、代表チームのメンバーや戦術を決定する監督」。もうひとつは「選手の所属クラブの戦術や経験は一度白紙に戻し、代表チームでは戦術や約束事をゼロから決める監督」だという。

トルシエ氏曰く、自身は後者であるそう。

選手の起用についても、「代表では、クラブと同じポジションで選手を起用する必要があるとは思っていない。選手たちは、全く違うポジションで使われる準備をしておくべきだ」と述べている。

「選手の得意、不得意のポジションを考え、特徴をどう最大限引き出すかがポイント」と述べる同氏は、現在の日本代表に対しても具体例をあげて提言。

久保建英の起用については、「久保はクラブで右サイドだが、左サイドでプレーすることで本人も気づいていないプレーの幅が広がるかもしれない」と述べ、クラブでの起用法にとらわれない、柔軟な起用の必要性を主張した。

一方で三笘薫に関しては「例外」とし、「三笘は絶対的に左サイドがベストだと思うから、無謀に反対サイドでプレーさせる必要はない」と語った。

トルシエ氏の見解は、日本代表の選手起用や戦術選択における一つの参考として、今後の議論を促す材料となりそうだ。

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