
ベルギー1部シント=トロイデンが16日、今月8日にJ2ジェフユナイテッド千葉から期限付き移籍で加入したFW小森飛絢(ひいろ)の入団記者会見を実施した。小森は新天地での意気込み、キャリアの目標、古巣千葉への想いを率直に語った。
昨季J2得点王が代表入りに向けて闘志を燃やす
昨季J2リーグで38試合23得点と圧倒的な活躍を見せた小森は、充実した表情を浮かべながら記者会見に臨んだ。「めちゃくちゃワクワクしています。早く試合に出てゴールを決めたい」と笑顔で意気込んだ。
欧州移籍を決断した理由は大舞台に立つためだ。「目標は日本代表を背負ってW杯に出て活躍したい」と大志を明かし、欧州移籍を決断した。
新天地にシント=トロイデンを選んだ理由は「シント=トロイデンが一番輝ける、自分に合うと思って決めました」と、複数あったオファーの中で日本人選手が5人在籍しているチームを選んだという。
自身と同じセンターフォワードのJ1鹿島アントラーズFW鈴木優磨、オランダ1部フェイエノールトFW上田綺世がベルギー1部で得点を量産した点も好印象だったという。
またシント=トロイデンは日本代表MF遠藤航(プレミアリーグ・リヴァプール)、同代表DF冨安健洋(プレミアリーグ・アーセナル)の名前を挙げて、ステップアップに実績があったことも決め手になったようだ。
シント=トロイデン提供今季の目標は二桁得点を掲げており、現在リーグ戦16チーム中14位と苦しむチームの救世主となる誓いを打ち立てた。
昨季はJ2で右足で12得点、左足で9得点、頭で2得点と多彩な局面でゴールを挙げてきただけに、「どんな形でもゴールを取れるところは誰にも負けない」と自身の決定力に大きな自信を持っている。
世界で誰もが聞いたことがあるビッグな選手に
昨季は背番号10を身にまとって千葉のJ1復帰に向けて破竹の活躍を見せた小森は、2シーズン苦楽を共にした小林慶行(よしゆき)監督から移籍前に熱い言葉をかけられた。
「『お前ならやれる。もっと、もっとビッグな選手になってこい』という言葉をかけていただきました。

昨季は最終節でJ1昇格プレーオフをかけたモンテディオ山形との決戦にチームは破れ、小森は人目をはばからずに大粒の涙を流しながら山形に駆けつけたサポーターにあいさつをした。言葉数は少ないが、古巣千葉を思う気持ちは形容しがたいほどに熱い。
自身の力でJ1復帰を果たせなかったが、「小さいころのプロになりたいという夢をジェフで叶えられて、そこでやっていく上でもっとステップアップしたいという思いになりました」と欧州挑戦の決意が次第に固まったという。
小森が背負ったエースナンバーはMF横山暁之が引き継いだ。昨季はリーグ戦33試合5ゴール4アシストとチャンスメイカーとして活躍し、小森とともにチームの攻撃をけん引した。エースナンバーを継承した仲間への信頼は厚い。
「ジェフの10番をつけるという意味で、結果で証明してほしいです。J1昇格に導くような選手になってほしいです」と元同僚に思いを託した。
小林監督にかけられた『ビッグな選手』を会見中何度も口にした小森。恩師から受けた言葉を「世界で誰もが聞いたことのある選手」と受け止め、新天地でゴールを量産する決意を見せた。

背番号は41。
(取材・文 高橋アオ)