リヴァプールで日本代表MF遠藤航とともにプレーしていたポルトガル代表FWディオゴ・ジョタ。

3日にスペインで起きたランボルギーニが大破する事故により、弟アンドレ・シウヴァとともに死亡する悲劇に見舞われた。

28歳のジョタは結婚披露宴をしたばかりで、妻と3人の子供が残されることになった。

すでにリヴァプールは来季開幕に向けたプレシーズンをスタートさせたが、かつてアーセナルやマンチェスター・シティでプレーした元フランス代表DFバカリ・サニャは、自身の経験から精神的な影響を危惧している。

サニャはアーセナル加入2年目の2008年に兄弟を亡くしたそうで、その際の影響について、『CNN』でこう明かしていた。

「彼らは常にそのことを考えるはずだ。なぜなら、ロッカールームで1つスペースが空いているから。昼食時やバスの中でもスペースが空いている。だから、私は彼らに声を上げるよう明確にアドバイスする。

まず、我々は人間だ。選手たちと過ごす時間は、家族と過ごす時間よりも長いので、これは本当にクレイジーなことだ。

なぜどうしてそうなったかを説明するのは難しいが、残念ながら前を向かざるを得ず、対処しようとしなければならないが、それは大変なことだろう。

(サニャは兄弟の死去でフランスに1週間戻ったが、父親の助言でアーセナルに戻ることをすぐ決めたものの、ショック状態で誰に相談していいか分からず、脳が麻痺した状態になった)

自分の頭はそこにいなかった。2シーズン目なのに、学生のようなミスをし始めた。

ボールをコントロールするのも難しかった。頭のなかがスローモーションだった。

だから(リヴァプールの)選手も一部は同じ考えになるかもしれない。サッカーに集中できないかもしれない、常にそのことを考えているから。

(サニャは当初、本から学んだだけの見知らぬ人に対して脆弱さをさらけ出すことを拒んでいたが、アーセナルのスポーツ心理学者からアプローチを受けた後、特に男性には自分の感情について話すことを推奨するようになった)

人生について、多くのことを話し合った。最も重要なのは、安堵感を得たこと。その後、気持ちが軽くなった。『なぜもっと早く話さなかったのだろう』と思った。勇気がなかったんだ。話すことの重要性を分かっていなかった。

彼(心理カウンセラー)は私のことを理解できないだろうと思っていたが、彼らは多くの人と会って、多くの話を聞いている。データがあり、我々はそのデータについて話した。

言葉は解放になるので、本当に大切だ。

過去を思い出してポジティブに変えることができる。だから、リヴァプールの選手たちも同じように試してみるべきだと思う」

サニャは、カウンセリングによって、自分を「サッカー選手ではなく、まず人間として再定義する」ことができたそう。

その変化が、感情を適切に処理するきっかけになったとのこと。

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