サッカーの試合中に軍人がサポーターに暴行を加えたとして、物議を醸している。

インドネシアメディア『ハルマヘラポスト』は3日、前日に同国・北ハルマヘラ県トベロで行われたサッカーの試合で、サポーターが暴徒化。

その最中にインドネシア国軍の軍人が“罪のない”サポーター2人に暴力行為を行ったと報じた。

騒乱はこの日開催されたトリポリFCとチャンバーズの試合で発生した。

白熱した試合中に、一部のサポーターが「審判の判定が一方のチームに偏っている」と疑ったことで、両チームのサポーター間で緊張が高まった。

同メディアは、「観客は次々とピッチに乱入し、場内は騒然となっていた」と現場の状況を伝えた。

この日、家族でサッカー観戦に訪れていたジャイラン・スカタさんは、混乱の中にいた自身の息子を探しにピッチに入った。しかし、この行動が事態の鎮圧にあたっていた国軍に誤解され、ジャイランさんは殴打されて地面に倒れた。

その場にいた女性インドリ・ミラジア・ハサンさんは「そんなことしないで。この人は自分の子どもを探しにピッチに入っただけ」「喧嘩をしに来たわけじゃない」と説明。だが、その軍人は止めに入った彼女を暴行したという。

SNSで拡散されたこの一件は、「権力の濫用」として、現在多方面から非難を受けている。

同地区の学生団体『KPMG-MU』に所属するユスミ・ヤンディさんは「武装した公務員による民間人への暴行は、決して許されない重大な違反です」とし、「このまま放置されれば、将来的に命にかかわる事態に発展する」と警鐘を鳴らした。

またヤンディさんは「私たちは厳正かつ透明な対応を求めます。

このような人物が保護され続けるのなら、人々はもはや治安機関を信頼できなくなる」と、法に基づく処分を求めた。

国軍の“行き過ぎた対応”は今回が初めてではないそうで、インドネシアでは市民が公権力に対して不信感や不満を抱いている。

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