日本代表の守備陣にケガ人が相次いでいる。
冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(バイエルン)は夏場からの負傷が長引いており、中山雄太(町田ゼルビア)は6年ぶりに復帰したJリーグの試合で重傷を負った。
同じく離脱していた橋岡大樹(ルートン)は今回復帰を果たしたが、今度は最新の日本代表メンバーに選ばれていた谷口彰悟(シント=トロイデン)が8日の試合で負傷した。
日本代表は3バックに変更して以降、安定した戦いを見せている。
それを支えていたのが中央のポジションに入っていた谷口だったが、報道ではアキレスけん断裂とも伝えられており長期の離脱が予想される。
ここでは、谷口の代替として呼ばれる可能性があるセンターバックを特集しよう。
チェイス・アンリ(シュトゥットガルト)
年齢:20歳
日本代表:なし
アメリカ人の父親を持つハイブリッドなDFは、この緊急事態に初招集となるだろうか。
2022年に福島の尚志高校からドイツの強豪シュトゥットガルトへ加入。セカンドチームで経験を積み、今年に入ってトップチームに合流した。
今季は大きく飛躍しており、開幕戦でデビューを果たすと、チャンピオンズリーグでは全試合に出場するなど昨季ドイツ2位のチームで重要な戦力となっている。
本職はセンターバックだが、セバスティアン・ヘーネス監督は「我々は彼を右や左サイドでもプレーできるセンターバックとして獲得した」とその汎用性の高さを評価する。
現在20歳。経験値の低さはネックだが、スケール感やポテンシャルの高さはピカイチだ。
中野就斗(サンフレッチェ広島)
年齢:24歳
日本代表:なし
Jリーグ公式が“広島のセルヒオ・ラモス”と紹介する中野就斗は、いま国内で最も注目されるDFの一人であろう。
桐蔭横浜大学から2022年に広島へ加入。広島では主にウイングバックで起用され5得点を記録しているが、大学時代は冨安健洋を目標に掲げるセンターバックだった。
実際、今季は元日本代表DF荒木隼人のケガもあり、3バックの中央や右ストッパーでもプレー。適正は今でもセンターバックといえる。
同僚の元日本代表DF塩谷司は、「得点もとれますしアシストもできる。守備の部分では対人に強く、足も速いですしヘディングも強い」と代表入りを推薦している。
技術面で課題はあるものの、いわゆる“デュエル”の強さは国内ではすでに最高レベルにある。この緊急事態に世界デビューとなるだろうか。
渡辺剛(ヘント)
年齢:27歳
日本代表:3試合0得点(2019~)
渡辺剛は、現時点で日本代表に入っていないことが不思議といえる選手であろう。
コルトライク時代にリーグ最高クラスのスタッツを残し、ステップアップしたヘントでも守備の要として活躍中。空中戦の強さは、ヨーロッパの舞台でも際立っている。
昨年には約4年ぶりに日本代表へ復帰し、ヘント指揮官に「行ってほしくない」と言われる中でアジアカップにも参戦したが、大会では途中出場8分のみという屈辱を味わった。
今季のヘントは4バックでプレーしている。ただ渡辺にとって3バック、谷口の負傷で空いた中央のポジションは最も得意とする役割でもある。
渡辺のことを森保一監督が必ずしも評価していないのは明らかであるが、もしここで呼ばれないのだとすればどのタイミングがあるというのだろうか。
そのほか、DF藤井陽也(コルトライク)、サイドバックながら長身の望月ヘンリー海輝(町田ゼルビア)、関根大輝(柏レイソル)あたりまでが候補となるだろう。