Aリーグ・メン(オーストラリア1部)ウェスタン・ユナイテッドがリーグ参加のためのライセンスをはく奪され、クラブ消滅の危機に瀕している。
同クラブにはFW指宿洋史とDF今井智基の二人の日本人選手も所属しており、選手の状況を不安視する声も上がっている。
同国メディア『The Sydney Morning Herald』によると、ウェスタン・ユナイテッドがここ数カ月間、深刻な財政難に直面しており、4月から6月の間、選手やスタッフへの給与支払いが遅延していたという。
さらに、2021年から2023年まで同クラブに在籍していた元セルビア代表FWアレクサンダル・プリヨヴィッチとの契約トラブルにより、FIFAから新規選手登録禁止の処分を受けていた。
ウェスタン・ユナイテッドのジェイソン・ソウラシス会長は、アメリカの投資会社KAMスポーツにクラブを売却することで再建を目指したが、交渉は長期化。
3カ月が経過してもオーストラリア・プロフェッショナル・リーグス(APL)の了承は得られず、資金注入も未着手だ。
APLはウェスタン・ユナイテッドにリーグ参加のライセンスをはく奪する通達を出したが、クラブは8日以内に控訴する予定だという。
ウェスタン・ユナイテッドは2019-20シーズンにAリーグ・メンに参入。2021-22シーズンにはリーグ優勝を経験している。
ウェスタン・ユナイテッドがAリーグ・メンに参入した背景には、当時放映権を持っていたFOX SPORTSが、大都市でのダービーマッチ増加を望んでいたことが大きく影響し、メルボルンに三つ目のプロクラブを創設した。
だが、同クラブは大規模なファン層を獲得できておらず、昨季のホーム平均観客数はリーグ最下位の3709人だった。
2023-24シーズンの赤字は1100万豪ドル(約11億円)、負債超過は5500万豪ドル(約53億円)超に達し、前年度も1200万豪ドル(約12億円)の赤字を計上していた。
また、ソウラシス会長はオーストラリア国税局から300万豪ドル(約2億9000万円)の未納税請求も受けていた。
関係者の間ではウェスタン・ユナイテッドの消滅の噂が広がり、中には同クラブの選手がフリーエージェントになることを見込んで補強を控えているライバルクラブもあるという。
今回の通達が覆らなかった場合、10月開幕のAリーグは男子12チーム、女子(Aリーグ・ウィメン)11チーム体制となる。