
日本では先週末にJリーグがJ1・J2・J3と揃って開幕したが、アメリカのMLS(メジャーリーグサッカー)もほぼ同じ時期に始まった。
サッカーの本場ヨーロッパと比較するとレベルも知名度も劣るアメリカだが近年は優れたタレントが集まっており、昨年からはあのリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)がプレーするリーグとして脚光を浴びている。
そこで今回は、2024年シーズンにMLSでプレーする日本人選手を取り上げてみよう。
吉田麻也
所属クラブ:LAギャラクシー(2023~)
年齢:35
キャリアの晩年に差し掛かった吉田麻也は昨夏ブンデスリーガ2部に降格したシャルケを退団し、LAギャラクシーに加入した。
MLSにはこれまで何人もの日本人が挑戦しており、そこには元日本代表選手も含まれているが、日本代表で主将を務めたレジェンドほどのビッグネームはいなかった。
それだけに彼には日本にMLSを周知することや、逆にアメリカにおける日本人選手の地位向上といった役割も求められており、8月には野球の大谷翔平が当時所属したMLBエンジェルスの始球式にも登場した。
ちなみに吉田によると、MLSは「イングランドとかイタリアとか僕がこれまでいたところから比べれば劣るかもしれないですけど日本と似ていると思います。そんなにフィジカルが強くはない」とのこと。
高丘陽平

所属クラブ:バンクーバー・ホワイトキャップス(2023~)
年齢:27
かつて横浜F・マリノスの絶対的な守護神だった高丘陽平。
2022年シーズンのJ1リーグ制覇に貢献しベストイレブンにも選出されたが、昨年の開幕直前にカナダを拠点とするバンクーバー・ホワイトキャップスへ移籍し周囲を驚かせた。
1年間で公式戦42試合に出場。カナダはいわゆるサッカー強国ではないがアイスホッケーの影響などで伝統的にGKの質は優れており、そんな中で1シーズン正GKとして戦い抜いた彼の功績はもっと評価されていいだろう。
横浜FMの時代から日本代表に推す声もあったが、アジアカップでGK問題に揺れた現在の代表チームに彼が選出されたとして何らの不思議はない。
久保裕也

所属クラブ:FCシンシナティ(2020~)
年齢:30
京都サンガ時代に18歳でプロデビューし、19歳にしてヨーロッパの地を踏んだ久保裕也。
エースとして臨む予定だったリオ五輪はクラブ都合で欠場したものの、スイス、ベルギーで活躍し、ハリルホジッチ体制の日本代表にも定着した彼にはバラ色の未来が待っているかと思われた。
しかしハリルホジッチの電撃解任による2018年ワールドカップ落選を契機に彼のキャリアは狂い始め、ドイツを経て20代にしてアメリカに渡った。
元々FWだった彼だが、シンシナティではボランチに挑戦するなど新境地を開拓。
木島萌生

所属クラブ:セントルイス・シティ(2024~)
年齢:21
木島萌生(きじま・ほうせい)は、今回紹介する中では最も日本で“知られていない選手”であろう。
横浜出身の彼は、フロリダのIMGアカデミーに通うため弱冠12歳で渡米。その後ウェイクフォレスト大学に進学し、チームのキャプテンを務めるなど63試合9得点10アシストを記録した。
その活躍で注目を集めると昨年末のMLSスーパードラフトでセントルイスから指名(全体の17番目)され、今年の2月21日に晴れてプロ契約を結んでいる(1年契約だが2025~2027年までのオプション付き)。
基本的には中盤の選手だが、自身は「自分のプレーの特徴の1つはユーティリティ性。フィールド上のあらゆるポジションをこなせる」と答えている。
山根視来

所属クラブ:LAギャラクシー(2024~)
年齢:30
山根視来は、サッカー選手としての全盛期にMLS移籍をした最初の日本代表プレーヤーだろうか。
川崎フロンターレで不動の右サイドバックとして君臨し、2022年ワールドカップにも出場。大会後日本代表には選ばれていないものの年齢的には30歳でピークともいえる状況だった。
だが今冬、「日本とは何もかもが違う、自分にとってより厳しいところでチャレンジしてみたい。このチャンスを逃したくない」としてアメリカへの移籍を決断。開幕戦ではいきなりリオネル・メッシと対戦している。
ちなみに日本代表復帰については「もちろん考えている」とまだまだ諦めていないようだ。