
昨今のサッカー界では、忠誠心を持ち続けることはとても難しくなっている。選手の移籍金によるビジネスが拡大し、クラブもそのマーケットに参加しなければ衰退してしまう時代である。
今回は『GMS』から「ヨーロッパの5大リーグで1つのクラブに最も長く在籍し続けている選手たち」をご紹介する。
6位:フランチェスコ・ロッシ
クラブ:アタランタ
クラブに所属している期間:15年10ヶ月
年齢:34歳
ポジション:GK
アタランタの下部組織で育ったゴールキーパー。2009年にトップチームへと昇格したあと、ルメッツァーネやパヴィアなどにローン移籍して下部リーグでの経験を積んだ。
2017年1月に復帰してからはずっとアタランタのバックアップキーパーとしてチームを支える存在。セリエAではこれまで通算6試合しか出場していないが、トレーニングやロッカールームでは欠かせない存在となっており、ファンからも大いに支持されている。
32歳でUEFAチャンピオンズリーグに初出場した際にはその存在がメディアで話題になり、「サードキーパーでありながらも常に真摯なプロフェッショナルで、出場ゼロでもチームに大きく貢献している貴重な人物」と伝えられた。
5位:ニコラス・ヘフラー

クラブ:フライブルク
クラブに所属している期間:15年11ヶ月
年齢:35歳
ポジション:MF
堂安律とチームメイトである守備的ミッドフィルダーのニコラス・ヘフラー。フライブルクの下部組織で育った選手であり、2010年にトップチームへと昇格してからずっと保有され続けている。
2011年から2013年まではエルツゲビルゲ・アウエに長期で貸し出されていたが、2013-14シーズンからはクラブの重要な存在になり、これまでブンデスリーガ通算280試合に出場している。
4位:イニゴ・レクエ

クラブ:アスレティック・ビルバオ
クラブに所属している期間:15年11ヶ月
年齢:32歳
ポジション:DF
バスク地方に縁がある選手しか所属することができないアスレティック・ビルバオ。そこで今最も長く所属しているのがサイドバックのイニゴ・レクエだ。
ダノク・バットというクラブの下部組織で育ち、2012年にアスレティック・ビルバオのCチームにあたるバスコニアへと移籍。それからBチームのビルバオ・アスレティックをヘて2015年にトップチームへ。
2016年には出場こそなかったもののスペイン代表に選出された経験もある選手であり、2023年にはリーガの月間ベストイレブンに初ノミネートされた。アスレティックでは長く第一バックアッパーのような立場で所属し続けている。
3位:シェイマス・コールマン

クラブ:エヴァートン
クラブに所属している期間:16年5ヶ月
年齢:36歳
ポジション:DF
アイルランド出身のシェイマス・コールマン。故郷の名門クラブであるスリゴ・ローヴァーズでプレーしたあと、2009年にエヴァートンに加入した。選手生命を脅かすような感染症を経験し、さらにブラックプールへのローン移籍を経てレギュラーを掴んでいる。
それから長く同クラブでプレーし、エヴァートンで出場した公式戦は428試合を数える。現在は年齢もあって出場機会が減少しているが、先日1年契約が延長されている。
2位:コケ

クラブ:アトレティコ・マドリー
クラブに所属している期間:16年11ヶ月
年齢:33歳
ポジション:MF
アトレティコ・マドリーの象徴たるコケ。8歳で下部組織に加入し、2008年にBチームへと昇格。さらに1年後にはトップへと引き上げられ、それから長くクラブの中心人物になってきた。
今季は契約満了が近づく中でもリーガ32試合に出場するなど活躍を見せ、移籍の噂が流れる中でアトレティコ・マドリーとの契約を延長。来季も生けるレジェンドとして戦い続ける。
1位:トーマス・ミュラー

クラブ:バイエルン・ミュンヘン
クラブに所属している期間:16年11ヶ月
年齢:35歳
ポジション:FW
コケとは対照的に、今シーズン限りでバイエルン・ミュンヘンとの契約が満了になり、チームを離れることを発表したトーマス・ミュラー。2008年8月15日にデビューして以来、少年時代から過ごしてきたクラブのワン・クラブ・マンとして戦い続けてきた。
ジャマル・ムシアラが大怪我をしてしまったことからバイエルン側は急遽の契約延長を考えたとも伝えられたが、ミュラーは「下品だとは言わないが、違和感があるね」と答えていた。