アーセナル移籍秒読みとされるマドゥエケ Photo/Getty Images
補強ポイントはどちらかと言えば左だ
チェルシーのイングランド代表FWノニ・マドゥエケのアーセナル移籍が決定的となっている。移籍市場に詳しいジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏がおなじみの「Here we go!」を出し、クラブ間交渉も最終段階の模様。
しかし、『METRO』によればアーセナルファンはこの獲得を望んでいないという。その理由はデータに表れていると同紙は報じた。
左右のウイングをこなせるという触れ込みのマドゥエケ。しかし右と左とでは成績が大きく異なるという。昨季、全大会で11ゴール5アシストを記録したマドゥエケだが、得点への貢献はすべて右サイドからのものだった。左サイドでも7試合に出場しているが、左サイドから得点に絡むことはなかった。これが大きな不安を残しているというのだ。
『Transfermarkt』によれば、チェルシーだけでなくオランダのPSV、そしてオランダでの様々なユースチームでの出場を含め、マドゥエケの左サイドからの貢献は合計で1ゴール2アシストにとどまっているという。また昨季の結果を見ると、マドゥエケはペナルティエリア内に63本のクロスを送り込んでおり、右サイドからは11本が成功しているが、左サイドからゴール前に届いたクロスは1本もなかった。
アーセナルのチーム構成をみると、どちらかと言えば補強が必要なのは左サイドだ。右にはブカヨ・サカというチームの顔がおり、昨季はバックアッパーとして若いイーサン・ヌワネリが台頭して負傷のサカの穴を埋めた。
ファンが望んでいたのはマルティネッリとトロサールを超えるような爆発力だったのだろう。だからこそレアル・マドリードのロドリゴ待望論は過熱したのだし、マドゥエケでマルティネッリを超えることができるのかは確かに不安なところだ。
選手層が厚みを増すのは間違いないが、データを見る限り適切な補強なのかは疑わしくもあるようだ。アーセナルファンからは獲得反対の署名運動まで起きたというが、マドゥエケは前評判を覆すことができるか。