
夏の移籍マーケットは、ステップアップのための動きをする選手のみならず、現在のクラブで不遇をかこっている者にとってのチャンスである。定期的にプレーする時間を得なければ、選手としてのキャリアにも大きなダメージになってしまう。
今回は『Football Transfers』などのメディアから「移籍が必要だったのに退団できなかった5名の選手」をご紹介する。
アデモラ・ルックマン
クラブ:アタランタ
ルックマンはこの夏の移籍マーケットで不運だった選手の筆頭だ。ビッグクラブへの移籍はほぼ確実だといわれており、本人もアタランタへと退団希望を伝えていた。
しかしインテルから届いたオファーをアタランタが拒否したため、ルックマンは激怒して2週間行方不明になり、練習参加も拒否。イタリアを離れてイギリスにわたり、SNSからアタランタの痕跡を消した。
アタランタ側はさらにバイエルン・ミュンヘンからのオファーも拒否したため、ルックマンはもはやまだマーケットが開いているトルコや中東しか選択肢がなくなってしまった。
ラヒーム・スターリング

クラブ:チェルシー
ラヒーム・スターリングはチェルシーを離れるための適切なオファーを受けていないため、今季はスタンフォード・ブリッジで孤立してしまう可能性も。
30歳になったスターリングはこの夏に退団を求めていた。昨季はアーセナルへのローン移籍を経験しており、すでに戦力外の扱いになっているからだ。
この夏にはフラムやクリスタル・パレス、ウェストハム、ナポリらから関心を受けていたとされるが、契約は成立せず。高額な年俸が交渉のネックになったと伝えられている。
レアンドロ・トロサール

クラブ:アーセナル
トロサールがこの夏のワールドカップに出場するためには、アーセナルを離れる必要があったと言われている。
ブカヨ・サカやカイ・ハヴァーツ、ガブリエウ・マルティネリだけでなく、ヴィクトル・ギョケレシュやノニ・マドゥエケ、エベレチ・エゼが加わったチームのなかで、彼に出番が回ってくる可能性は低い。
実際最初の3試合でわずか1試合、37分しかプレーできなかった。ブレントフォードやアストン・ヴィラの関心はあったが。
アルチョム・ドフビク

クラブ:ローマ
一時期は数多くのビッグクラブから狙われていたウクライナ代表FW。ジローナから昨年3050万ユーロでローマへと加入し、将来は明るいと思われていた。
しかしながら、ジャンピエロ・ガスペリーニ監督から彼はレギュラーとして考えられておらず、より機動力がある選手が求められていた。その結果エヴァン・ファーガソンが優先されることになった。
ドフビクは事実売りに出されていたが、ビジャレアルからのオファーは認められず、ミランのサンティアゴ・ヒメネスとのトレードも実現せず。ナポリやニューカッスルの噂もあったが、結局ローマに残ることになってしまった。
中村敬斗

クラブ:スタッド・ランス
フランス2部に降格したスタッド・ランス。数多くの選手が流出するなか、意外にも日本代表の中核を担うMF中村敬斗はチームに残ることになった。
数多くのオファーがあると報じられたものの、移籍金の問題からかクラブはそれを認めず。中村敬斗自身が移籍を求めてクラブの練習を離れるなか、具体的な動きには至らなかった。
すでに移籍マーケットが閉まっているため、選択肢はトルコや中東のみ。しかしスタッド・ランスは多くの利益を得たために中村敬斗を売る必要もない。ワールドカップを来年に控えるなか、このコンフリクトはどのような結末を迎えるだろうか。