イェライは、2024-25シーズンのヨーロッパリーグ準決勝1stレグのマンチェスター・ユナイテッド戦で実施された、UEFAのドーピング検査において、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が認定する、S5カテゴリー(利尿剤およびマスキング剤)の禁止物質であるカンレノンが検出され、2025年6月2日より自主的な暫定出場停止処分を受け入れていた。
そうしたなかで8日、アスレティック・ビルバオは、UEFAの懲戒委員会が、イェライに対して10カ月間の出場停止処分を科したことを発表。選手本人が「何年も脱毛症の治療を続けており、この件を調査した結果、陽性反応が出たのは、禁止物質を含む脱毛予防薬を意図せずに服用したことに起因する」と述べていたように、UEFAも「禁止薬物の摂取は、当該物質を含む脱毛予防薬を誤って服用したことによるもの」と故意ではなかったことを認定したとのこと。ただし、「現行の規則においては、選手が自らの行動に責任を負っており、服用前に当該薬の服用が許可されているかどうかを確認するべきだった」と確認を怠った点を咎めている。
なお、イェライの出場停止処分は、自主的な暫定出場停止処分を受け入れた2025年6月2日を起算とするため、2026年4月2日から競技に復帰することができるという。また、規則に基づき、2カ月前よりチーム練習に復帰することができることも併せて伝えている。
1995年1月24日生まれのイェライは現在30歳。『レサマ(練習場)』育ちのカンテラーノは、トップチーム昇格後に精巣癌による2度の闘病生活や度重なるケガと、壮絶なキャリアを歩んできた。それでも、決して諦めなかった“5番”は、ここまでクラブ公式戦通算257試合に出場しているほか、2023-24シーズンには最愛のクラブで主要タイトル獲得の幸運にも恵まれている。