香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国ネット通販最大手アリババ集団の創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が8日、同集団傘下の金融会社でネット決済サービス「支付宝(アリペイ)」などを運営するアント・グループの創立20周年記念式典で異例の短い演説を行い、「アントの次の20年」を信頼しており、「さらなる奇跡」を期待していると語った。馬氏は23年初めにアントの経営権を手放すと発表して以来、同社と距離を置いていた。

中国セルフメディアの首席商業評論は9日、馬氏の演説の要点について解説する記事を発信した。セルフメディアとはポータルサイトなどで文章や動画を発信する個人やグループのこと。

ジャック・マー氏がアント創立20周年記念式典で異例の演説、その要点は?―中国セルフメディア

記事はまず、「この4年のテクノロジー界における最大の変数は人工知能(AI)だ。2022年11月にChatGPTがリリースされて以来、AIは幅広い注目と投資を受けてきた。馬氏によると、20年前、彼らの世代は始まったばかりのインターネットのチャンスをつかむ幸運に恵まれた。これからの20年、AIは巨大な変革をもたらし、偉大な時代を創造することになる」と解説した。

次に「馬氏によると、AIはすべてを変えるだろうが、AIがすべてを決定できるわけではない。未来の真の価値を決定するのは人だ。これは(米電気自動車大手テスラのCEO)イーロン・マスク氏との以前の対話とも一致していて、馬氏は人の創造的価値にますます注目している」と解説した。

さらに「馬氏によると、テクノロジーが普通の人々の生活に幸福と変化をもたらすためには、人がAIに感情を付与しなければならない。これはアントの企業使命を位置付けるものだ」と解説した。

最後に「馬氏はアントを激励あるいは批判してきた人々に感謝していると語った。

特に情義がある若者について触れ、彼らがより良い未来を築くよう励ました」と解説した。(翻訳・編集/柳川)

編集部おすすめ