2025年1月26日、中国メディアの極目新聞は、韓国で行われた囲碁の対局で反則の指摘を受けて途中棄権した中国の柯潔(カー・ジエ)九段が当時の状況を振り返るとともに、絶対に妥協しない姿勢を見せたと報じた。
23日に行われた囲碁の第29回LG杯棋王戦決勝第3局で、柯九段が取った石を碁笥のフタの上に置かなかったことを審判が反則と判断し、2目のペナルティーを与えたところ、柯九段はこの対局を途中棄権。
記事は、柯九段が26日にライブ配信を通じて自身の心情を吐露し、ファンに向けて「まだ生きている」と報告したことを紹介。記事によると、柯九段は「ゲームやSNSをすべてアンインストールし、数カ月間集中して勉強した」と述べるなど、9回目の世界戦優勝を賭けたLG杯棋王戦に万全の準備を整えて臨んでいたことを明らかにした。
その上で、22日に行われた第2局の反則負け以降の出来事について「夢の中をさまよい、地獄のようだった」と振り返り、第2局終了後は食事も取れず、眠ることもできず、受け入れられない現実に直面していたと心境を吐露。特に「対戦相手が自分に対する不正を報告して審判がペナルティーを課したことに抗議した時に、対戦相手が談笑しているのを目の当たりにした」ことで深く傷ついたとし、「あの瞬間、私の心が壊れたように感じた。自分が壊れたのか、囲碁が壊れたのか分からなかった」と感情を抑えきれず語った。
また、審判から「もし時間を引き延ばすなら、今すぐに負けを宣告する」と警告を受けたことについて「審判は自分の権限を乱用し、私たちが時間を引き延ばしていると侮辱的に言った」と主張するとともに、「その恐怖は今でも続いている」と述べた。
柯九段は一方で「22日、23日には暗闇の中にいたが、あなたたちが私のために声を上げてくれたおかげで、希望の光を見た」と語り、ファンからの応援に感謝の意を示すとともに、「柯潔は永遠に妥協しない」と自らを奮い立たせるように、おえつ混じりに繰り返したという。(編集・翻訳/川尻)