2025年5月31日、経済日報は、世界的な「チャイナ・ショッピング」ブームが起きている背景について解説する記事を掲載した。

記事は、「チャイナ・トラベル」が海外のSNSで注目を集めたのに続き、「チャイナ・ショッピング」への関心も急速に高まっていると紹介。

昨年中国を訪れたインバウンド観光客数は前年のほぼ2倍となる延べ2694万人で、インバウンド観光消費額は同77.8%増の942億ドル(約13兆5000億円)に上ったことを伝えた。

そして、インバウンド観光客の間で「チャイナ・ショッピング」がブームとなっている背景として、従来のシルク製品やお茶に加えてマッサージ機やドローン、イヤフォン、モバイルバッテリーといった現代的な製品が登場し、購入できる商品の幅が広がったこと、品質や技術、デザインが大幅に向上したことなどを挙げた。

また、製品の多様化や品質、デザインの向上に加えて、中国国内の各種施設が複数のモバイル決済や銀行カード決済、現金決済などさまざまな決済方法を提供していること、海外のクレジットカードや決済アプリへの対応、ビザ政策の改善や出国時の税金還付最低額の引き下げ、免税店登録条件の緩和といった制度的な面の充実も、外国人観光客によるショッピングの増加に寄与していると伝えた。

外国人観光客はなぜ「チャイナショッピング」にハマったのか―中国メディア
北京市の紅橋市場

記事は、今年1~3月のインバウンド客が前年同期比約40%増の921万5000人となり、ビザ免除対象国の拡大によってますますインバウンド客が増えていること、インバウンド消費額が国内総生産(GDP)に占める割合が世界の主要国より低い0.5%にとどまっていることなどから、インバウンド観光消費はなおも大きな潜在性を秘めているとした。

その上で、インバウンド消費をさらに喚起するための提言として、中小都市における決済の利便性向上など消費環境のさらなる充実や、商品の説明や品質証明、アフターサービスの説明などで外国人向けの表示を強化すること、多言語対応能力の向上、博物館やガイド、ブロガーなどとのコラボレーションを通じて中国の特色ある製品を開発するとともに、「中国ブランド」の世界的な認知度を高めていくことなどを挙げた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ