中国メディアの観察者網は30日、トランプ米大統領が韓国を「冷遇」しているのは李在明(イ・ジェミョン)大統領が「親中」であるためだとの見方があることについて、「そうは思わない」とする韓国の専門家の見解を紹介した。

記事によると、日本や欧州連合(EU)が米国との関税合意を決める中、韓国は妥結が遅れている。

米韓交渉の膠着状態は、李氏の大統領就任以来の二国間関係の微妙な変化を反映している。李氏は「あらゆる事柄において米国を第一とする」と繰り返し公の場で強調してきたにもかかわらず、韓国は米国から冷遇されてきた。例えば日本の交渉担当に指名された赤沢亮正経済再生担当相は8回にわたって訪米し、米側の担当閣僚と協議を重ねてきただけでなく、日米首脳会談も行われたのとは対照的に、韓国は閣僚級会談さえ散発的にしか行われていない。これを受け、韓国の一部世論(特に保守派)の間で、李氏の「親中」姿勢がトランプ氏の「誤解」と「冷遇」の主因だとの見方がある。

韓国の漢陽大学中国問題研究所のミン・クイシク所長は観察者網の取材に対し、韓国の野党や保守派は李氏を攻撃するために「親中派」のレッテルを貼ろうとしているが、李氏は親中派ではなく実用主義者だとし、李氏は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の行き過ぎた「親米」「親日」姿勢が韓国の国益に重大な損害を与えたと考えており、正常なバランスの取れた外交政策への回帰を目指しているとの認識を示した。

ミン氏によると、トランプ氏の「冷遇」は独特の交渉戦術であると同時に、韓国の新大統領を懐柔するための戦術でもある。米韓首脳会談が実現しない現状は、両国間の力の駆け引きとも捉えられる。しかし、こうした空気を懸念した韓国のいわゆる「親米」保守系メディアは、李氏がトランプ氏と会談できないのは「親中派」姿勢によるものだと批判した。したがって、韓国世論における李氏の「親中派」イメージは、一般大衆の認識ではなく、保守系メディアの攻撃によるものだ。李氏を支持する多くの韓国人は、同氏を親中派とは考えていない。(翻訳・編集/柳川)

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