世界人工知能大会が26日から28日まで上海で開催された。会期中の27日、上海理工大学の李清都(リー・チンドゥー)教授のチームが開発した上海卓益得ロボットの人型ロボット「行者2号」の改良版にあたる「学覇01」が上海戯劇学院の謝巍(シエ・ウェイ)党委書記から赤色の合格通知書を受け取り、同学院の演劇・映像(全日制)専攻の2025年度新入生(博士課程、修了年限4年)として合格し、中国初の博士課程の学生として入学するエンボディドAIロボットとなった。

中国新聞網が伝えた。

「学覇01」の指導教員は同学院の有名なアーティストでトランスメディア芸術の創始者の楊青青(ヤン・チンチン)教授だ。楊教授は、「『学覇01』は最近の『AI幻覚(ハルシネーション)』を生む可能性のある一部の汎用AIモデルには接続せず、指導教員や博士課程、修士課程の学生と一緒に勉強し、生活し、成長することになる」と説明した。

「学覇01」の物理的な体は北京で開催された世界初のロボットハーフマラソン大会で3位になった「行者2号」の改良版というものであり、「行者2号」とRenaヒューマノイドの技術を利用しており、現時点で軽量化と稼働時間の両面で優れる腱駆動型ロボットだ。メークと衣装のイメージデザインは楊教授の率いる舞台美術学部衣装・メーク専攻の教員・学生チームによって行われ、このことは産学研の深い融合がスマートテクノロジーの発展におけるけん引的役割を十分に体現し、先端技術と美学表現の体系的な結びつきを実現している。

博士課程に通う初のロボット誕生、専攻は演劇―中国

上海戯劇学院は上海理工大学と共同で「学覇01」の育成計画を設計し、生成AIを演劇芸術の創作に融合させ、エンボディドAIを具体的な専門的技能の育成に統合することで、学科の枠を超えた「テクノロジーと芸術の融合」という新たなパラダイムの全く新しい探求を始めている。

同学院の計画によると、「学覇01」は他の博士課程の学生と一緒に入学し、すべてのカリキュラムにおいて人とロボットが共に学び共に創作を行う。理論研究、技術実践、創作実践の観点によるカリキュラム設置に基づき、戯曲、演技・演出、脚本、舞台美術などの専門科目を深く学ぶとともに、「AI+舞台芸術」重点実験室とデジタル舞台芸術集積イノベーション文化観光部重点実験室に所属して学びを深める。同学院はこれから共同育成指導教員チームを立ち上げ、芸術科目の共同育成全プロセス評価システムを構築し、「学覇01」が実際の場面で創造的な学習と社会的な双方向のやりとりを行えるよう指導するという。

博士課程に通う初のロボット誕生、専攻は演劇―中国

楊氏によると、「学覇01」の専門をより正確に言えば、演劇・戯曲学を切り口とした中国の優れた伝統文化を学ぶことであると同時に、「学覇01」のプロジェクトは同学院の大学院における教育改革プロジェクトでもある。

同学院と上海理工大学はそれぞれの学科設置の優位性を生かし、ロボット博士課程学生の成長プロセスと能力マップを設計し、複数のトレーニングモジュールを構築する。楊氏は、「『学覇01』には少なくとも基礎モジュール、芸術モジュール、システムモジュール、タスクモジュールなどの内容が含まれる。

例えば、基礎モジュールには、知覚と認知モデリング、言語生成とインタラクション、エンボディド制御と動作表現。芸術モジュールには、舞台での役作り、芸術スタイル模倣、感情表現と物語構成。システムモジュールには、クロスモーダルデータ融合、クリエーティブ生成メカニズム、社会的インタラクションと倫理モデリング。タスクモジュールには、博士課題チャレンジ、段階的成果発表、『口頭試問』形式の成果審査がある」と説明した。

中国工程院の外国籍院士の張建偉(ジャン・ジエンウェイ)教授は、「ロボット博士は画期的な教育実験であり、知行合一が必要で、単なる話題作りのためのものであってはならない。具体的な育成計画を着実に実行する必要がある。ロボットは高速学習能力を備えており、今後の学科教育に大きな影響を与えるだろう。『学覇01』が人間、状況、そして芸術分野を理解できる力を育てる必要がある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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