中国中央テレビ(CCTV)のウェブサイト「央視財経」は17日、「和田玉のコストはたった十数元?」と題し、高級ヒスイが偽造される実態について伝えた。

記事によると、和田玉をめぐって最近、「消費者の知識不足につけ込み、さまざまな手を使って消費者をだまして利益をむさぼる業者が一部販売市場で見られる」との情報が寄せられた。

これを受けて取材先となったのが、中国最大級の加工・取引の中心地の一つである河南省南陽市石仏寺鎮だ。

同鎮に位置する榆樹荘市場内にある、「子料」と呼ばれる和田玉の原石の卸売りエリアでは複数の店から刺激臭が漂い、客はビニールの手袋を着けて商品を選んでいた。ある店主は「これは化学薬品で染色した『偽の子料』です」と話し、関係者からは「産出量に限りがあるため、一部の不正業者は価格の安い低品質のものを子料に見せかけている」との声が聞かれた。

取材ではさらに、低コストの原石が特製の機械による研磨や化学薬品を使った染色処理を経て「市場で人気を集める高級品の子料」に仕立て上げられるという偽造工程に関する情報も入手。ある業者は「過去に良質の和田玉の原石を使おうとしたが、価格の高さから販売量は特殊処理した安物の原料に遠く及ばなかった」と明かしたという。

記事はまた、和田玉の鑑定書が1枚2元(約40円)で偽造されていることも取り上げ、「コスト十数元の『和田玉』に『鑑定書』を添えたものがライブ販売で数十倍の値段で売れている」という状況も伝えた。「鑑定書」の発行機関は「国石珠宝首飾検験検測中心」だが、業界関係者は「これはまったくの架空の鑑定機関であり、消費者を欺くことが目的だ」と指摘したという。(翻訳・編集/野谷)

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