中国、ドイツ、米国の3カ国の研究者が世界初の室温触媒転化技術の共同開発に成功したことが8月18日に分かりました。この技術は、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などの難分解性混合プラスチック廃棄物を常温常圧条件下で、一回の工程で効率的に高付加価値の燃料に転換することを初めて実現しました。
この革新的成果は塩素を含むプラスチック回収の世界的な難題を克服し、世界のプラスチック汚染対策に新たな解決策を提供するものであり、中国の華東師範大学化学・分子工学学院全国重点実験室の張偉研究員のチームがドイツのミュンヘン工科大学のヨハネス・レルヒャー教授、米国のパシフィックノースウエスト国立研究所(PNNL)のマル・スーン・リー上級研究員と共同で成し遂げたものです。この画期的な研究成果は、国際的な学術誌の『サイエンス』に掲載されました。
この技術の画期的な点は三つ挙げられます。一点目は反応条件の革新で、常温で転化を完了することができ、エネルギー消費量を70%以上削減できることです。二点目はプロセスの革新であり、脱塩素、分解反応、アルキル化の3段階の反応を単一のプロセスに統合したことです。三点目は資源の協調的利用で、石油化学の副産物を反応媒体として利用することで、廃プラスチック資源の高効率な付加価値利用を実現したことです。
実験データによれば、同技術は混合廃プラスチックを一回の工程で高品位ガソリンに変換でき、炭素原子利用率は95%を超えます。この分子レベルの精製技術はプラスチック回収の経済性を大幅に向上させるだけでなく、完全な資源循環利用チェーンを構築し、世界のプラスチック汚染対策に実行可能な解決策を提供するものです。(提供/CRI)