上海地下鉄9号線の一部車両で座席が撤去されたことが話題になっている。中国メディアの新民晩報などが7日に報じた。

記事によると、9号線ではラッシュ時の混雑が大きな問題になっている。2025年上半期の報告によると、平日のラッシュ時の乗客が最も多い5駅のうち、9号線は4駅を通っている。

そうした中、運行会社の上海申通地鉄は、試験的に一部の座席を撤去することで1車両当たりの乗車人数を増やす取り組みを行っている。具体的には、先頭車両と最後尾車両で計4列の座席を撤去する。同社は、これにより約25人分の立ちスペースが新たに確保できる見込みだと説明している。

しかし、ネットユーザーからはある懸念が出ている。それは、上海地下鉄ではもはや名物となっている「板凳族(ベンチ族)」だ。「ベンチ族」とは、車内に小型の折り畳み椅子などを持ち込んで通路に置いて座る人々のことで、運行会社が「事故につながる」としてやめるよう呼び掛けているが一向に改善していない。

上海地下鉄がラッシュ対策で座席を撤去、「ベンチ族が増える」と懸念の声も―中国メディア
ベンチ族

ネットユーザーからは「座席を撤去したら逆にベンチ族にスペースを与えることになる」「ベンチ族が増えて、つまずいて転倒する事故が増えるのではないか」といった声が上がった。

ほかにも、「もともとの設計よりも大人数が乗車することになるが、安全上の問題はないのか?」「立ち乗りの乗客が増えるなら手すりの数も増やしてくれないと危険」「撤去するのではなく、ラッシュ時は自動で折りたたまれて使えなくなるような座席にすればいいのでは?」などの意見も出ている。(翻訳・編集/北田)

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