中国考古学の重要なプロジェクトの一つである呉越国の考古学作業と研究が9月4日、中国東部の浙江省杭州市臨安区で正式にスタートしました。期間は2025年から2030年までとなります。

呉越国は中国の五代十国時代(907~979年)の重要な地方政権であり、杭州を都とし、現在の浙江省全域、江蘇省南東部(蘇州市)、上海市、福建省北東部(福州市)一帯を支配していました。五代十国は中国史上、最も激しく揺れ動いた割拠時代の一つですが、南東の一角にある呉越国は桃源郷のように70年余りにわたる平和を維持し、経済と文化面でも繁栄の伝説を残しました。その文化は唐の時代を受け継ぎ宋の時代に影響を与え、鮮明な地方の特色を持つ歴史的な価値があります。

呉越国考古学プロジェクトは浙江省文物考古研究所と上海、江蘇、福建などの多くの考古学機関、北京大学によって共同で行われ、呉越国時代の文化財資源の調査、考古学発掘、総合研究を体系的に推進することを目的としています。

同プロジェクトは呉越国の政治制度や陵寝制度、手工業技術などを重点的研究方向にしながら、呉越国の都市建設と発展モデルの研究、五代時期の藩鎮政権の墓葬制度の伝承と変遷、手工業の発展と交流、呉越国の宗教文化の発展と融合、呉越国の建築技術の特徴と伝播、政治制度の発展と後世への影響、空間情報の発掘と歴史文化物語の可視化と知識化研究という七つのサブテーマに加え、呉越国の文化財資源のデータベースを作り上げ、文化財資源システムの整理とデジタル保護を推進する計画です。(提供/CRI)

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