最近、中国南部の海南省文昌市東郊鎮の近海に1頭のアザラシが現れ、「アノン」と名付けられて社会の注目を集めました。この愛らしい海からの「お客様」は、地元住民や観光客の人気者となりました。
しかし、注目を浴びたことで「アノンちゃん」はさまざまな困難に直面しました。一部の観光客が不適切に餌を与えたり、直接触ったりする行為が繰り返されました。さらに、セルフメディアのブロガーが夜間に撮影しようとして強い光を当てたり、ダイバーがアザラシを岸に引き上げたりする事例まで起こりました。こうした行為の再発を防ぐため、文昌市の警察当局は「見守り活動」を始め、巡回警備を強化して、野生動物への不適切な行為をその場で制止・指導しています。
現在「アノンちゃん」は海南に孤立した状態でとどまっており、高温の環境や不適切な餌、人間との過度な接触によって深刻な生存の危機にさらされています。これを受けて、関係機関が海南省農業農村庁の指導の下で越境連携救助活動を開始し、「アノンちゃん」の移送保護と専門的な健康診断を実施し、「アノンちゃんを故郷へ返す」特別活動に乗り出しました。海南省の複数部門は水生野生動物の専門救助機関と連携して体系的な救助プランを策定し、移送と保護、個体群情報特定のための生体サンプルの採取、自然保護区に戻すという三段階を通じて、アノンちゃんが無事に仲間の群れに戻れるようにすることを目指しています。(提供/CRI)