2025年9月9日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、アフリカにおける太陽光エネルギー開発について「だれが費用を負担するのか」と題した記事を掲載した。

記事は、アフリカで中国からの太陽光パネル輸入が急増し、直近1年間での輸入量が原子炉10基分に相当する1万5000メガワットに達したと紹介。

太陽エネルギー資源が最も豊富な大陸でありながら、世界の無電化人口の80%が集中するアフリカにとって太陽光開発は賢明な選択であるものの、地域諸国の多くは深刻な債務問題を抱えており、新たな債務危機を避けつつ開発を進めるかが大きな課題となっていると伝えた。

そして、実際の取り組みとして西アフリカで事業を展開する仏企業Africa Renの独立系発電事業者(IPP)モデルを解説。企業が自ら投資・開発・運営管理を行い、現地の電力会社と20~25年の長期電力供給契約を結ぶ方式であり、事業対象国に新たな債務負担をかけない利点があると説明した。

一方で、地域で急速に存在感を増しつつある中国企業はIPP方式をほとんど採用せず、主に政府が金融費用をより多く負担するEPC方式(設計・調達・建設の一括請負)を導入していると指摘。自国の設備と資金を持ち込み、国家間の融資を通じて事業を行い、見返りとしてアフリカ諸国から土地の経営権や鉱物採掘権など譲り受けている可能性があるものの、これらのプロジェクトは公開入札を経ないことが多く透明性に欠け、その詳細は外部からは分かりにくいとした。

記事はまた、アフリカでの太陽光開発における最大の挑戦は、資金調達よりも送電網のインフラ問題であり、送電網を拡張しなければ太陽光エネルギーを開発できないという専門家の見方を紹介。中国からの輸出データはパネルが現地に到着するまでの時間や、設置される速度を追跡したものではないため、輸入されたパネルが迅速に発電に結びつき、一般市民の生活を改善できるかというのはまた別の話になり、そのためには大規模な資金に加えて現地の政情や治安が安定している必要があると指摘した。

記事は、アフリカ安全保障研究所(ISS)が「アフリカは新たな気候変動の枠組みから利益を得られるべきだ」とし、そのためには気候変動対策への行動を条件に債務を免除する「気候変動債務スワップ」と、パリ協定で定められた炭素クレジット市場メカニズムの活用が必要であり、11月にブラジルで開かれる国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)の優先議題にすべきだと主張していることを併せて紹介した。(編集・翻訳/川尻)

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