中国南東部の福建省戴雲山国家級自然保護区はこのほど、「チョウの皇后」と呼ばれるオウゴンテングアゲハの野外ふ化の映像を公開しました。卵粒が発育し、幼虫が卵殻を破って飛び出す全過程が記録されています。
オウゴンテングアゲハの卵粒は発育の後期になると、卵殻が半透明の状態になり、幼虫は大きな顎で卵殻をかみ開け、外に出ると卵殻を一口ずつかじり尽くし、ふ化後最初の食事を楽しみます。
同自然保護区管理局の李文周チーフエンジニアによると、オウゴンテングアゲハは世界8大貴重チョウの一つであり、中国に生息するチョウ類の中で唯一国家1級保護野生動物に指定されています。主に亜熱帯や熱帯の標高約1000メートルの渓谷地帯に分布しています。東アジアの大陸固有種のチョウとして、オウゴンテングアゲハは中国の福建省、江西省、浙江省、広東省などに生息しています。
李氏によると、交尾後メスのチョウは通常、20~30メートルの宿主植物の葉に産卵します。このため、研究スタッフははしご車を設置して観測し、はしご車が届かない場合はハーネスを付け、木によじ登って観測しました。8月下旬以来、研究チームは32個の卵粒を発見しました。しかしその大部分は天敵の寄生バチに食い荒らされ、最終的に研究チームは9個の卵粒の完全なふ化過程を記録したとのことです。(提供/CRI)