広西チワン族自治区大明山国家級自然保護区でこのほど、森林保護にあたるスタッフが特殊な形態をしているキノコを発見しました。広西植物研究所の専門家による鑑定の結果、このキノコは子嚢菌に属す肉盤菌科の新種であることが確認され、「大明山暗盤菌(プレクタニア・ダミンシャンエンシスG.F.モウ・J.R.リウ)」と命名されました。
大明山暗盤菌のタイプ標本は、保護区内の典型的な亜熱帯常緑広葉樹林の腐朽木から採集されました。子嚢盤(子嚢菌のキノコが胞子を作る部分)は杯状で直径19~27ミリメートル、子実層(胞子を作る細胞が層状に並んだ部分)の表面は濃褐色から淡褐色を呈しており、外側表面は灰色の綿毛と樹枝状の稜線に密に覆われ、盤の下層組織には明瞭なゼラチン化の特徴が見られます。子嚢内の胞子は楕円形で表面に微細ないぼ状の突起があり、大きさは長径が約22.5~32.0、短径が12.1~14.7マイクロメートルです。これらの形態上の特徴及び分子系統解析の結果は、いずれも本種が新たな分類単位であることを支持しています。

肉盤菌科の真菌は、その多くが腐朽木や腐植質層で生育し、森林生態系の物質循環において重要な役割を担っています。これまでこの類群の研究は温帯地域に集中していましたが、今回の亜熱帯地域での発見は、当該種の分類、進化、生態適応性を理解する上で新たな知見を提供するものです。(提供/CRI)