2025年11月16日、韓国メディア・毎日経済は、韓国で長期失業者が増加し、とりわけ20~30代の大卒以上の若者の長期にわたる失業が深刻化していると報じた。

記事によると、韓国国家データ処の国家統計ポータルの最新データで、6カ月以上求職活動を行っているのに職が見つかっていない「長期失業者」は11万9000人に達し、21年10月以来の高水準となった。

また、全失業者のうち18.1%が長期失業者であり、これは関連統計が始まった1999年以来、最も高い割合。長期失業者は、コロナによるパンデミックが起きた20年5月~21年12月の期間を除いて10万人を下回っていたが、最近急増したという。

特に問題となっているのが4年制大学卒業以上の学歴を持つ20~30代で、この層の長期失業者は3万5000人に上り、前年9月以来13カ月ぶりの高水準を記録した。中でも 25~29歳 が最も多く、1万9000人が学士・修士・博士号を取得しながら長期にわたって無職の状態にあるという。

記事は、「求職活動自体を諦めた、いわゆる『休んでいる』状態の若者は減っている一方、高学歴の若者の長期失業は増加しており、働き口のミスマッチ問題が深刻化している」と指摘した。

これについて、韓国のネットユーザーからは、「大学を出ても行ける会社がない」「専門職以外は、高学歴になればなるほど職がない国になってしまった」「プログラマーや研究者の仕事も不景気やAIによって働き口が少なくなっている」「中小企業の待遇を改善しないと永遠に解決しない」「親は教育費に大金を使い、子どもは幼いころから勉強に縛られ、結局は職もない。悲惨だ」「もう学歴はチャンスをくれるだけで、一生の保証になるものじゃなくなってしまった」などの声が上がった。

また、「若者の長期失業は深刻な国家問題だ」「政府は数字だけで雇用が改善したと言うが、実態は全然違う」「手当などの政策を増やすにしろ減らすにしろ、実際の状況をもっときちんと見るべき」「政府は少子化対策の前に、雇用問題に取り組んでほしい」「若者が結婚や出産できない理由の一つはこれだろう」などの声も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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