2026年1月5日、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版サイトは、26年の日中関係の展望について、対立の冷却度をコントロールしながら新たな転機を模索する局面になると報じた。
同メディアは、25年11月に高市首相が台湾海峡での武力衝突を「存立危機事態」と想定し得ると答弁したことが両国関係の決定的な分水嶺になったと紹介。
その上で現在の高市政権について、かつて安倍晋三政権期に存在した対中パイプを喪失している点を指摘。安倍政権下では親中派として知られた二階俊博氏や、中国側に人脈を持つ福田康夫氏が首脳間の懸け橋になっていたと論じたほか、長年中国から厚遇されてきた公明党が連立を離脱する代わりに、保守的な日本維新の会が政権に接近したこともあり、中国との対話窓口がさらに狭まっているとした。
また、日中間の政治的関係悪化の影響はすでに経済界にも波及し、日中経済協会などの経済3団体が1月の訪中を延期するなど、12年の尖閣諸島国有化以来の冷え込みを見せていると伝えた。
記事は一方で、強い反発姿勢を見せている中国側も関係悪化の速度と程度を意図的にコントロールしていると分析。その背景には、中国経済が不動産バブル崩壊による低迷からいまだ脱出できず、若年層の失業率が高止まりする中、日本からの投資をこれ以上減らすことは自国経済に壊滅的な打撃を与える「諸刃の剣」になりかねないとの認識があると説明した。
特に、中国全土で3万社を超える日系企業が1000万人以上の雇用を支え、ハイテク分野の研究開発をけん引している実態があるため、中国当局は「日本製品不買運動」や「観光の全面禁止」といった過激な措置を控え、冷却の度合いを調節しているとの見方を示した。
その象徴的な事例として記事は、中国外交部の劉勁松(リウ・ジンソン)局長の振る舞いに言及。劉局長が11月中旬に行われた日本の金井正彰アジア大洋州局長との公式会談で両手をポケットに入れたまま冷淡に接する様子をメディアに露出させ「主導権」をアピールした直後、大連の日系企業を視察した際には企業幹部と抱擁を交わし「安心して経営してほしい」と述べたことを伝え、日本との政治関係を悪化させても「経済関係の冷え込み」の進行は食い止めようとする中国側の姿勢が見えると指摘した。
記事は今後の日中関係について、年内に複数の転機が訪れる可能性を挙げ、開催が危ぶまれている日中韓首脳会談のほか、4月のトランプ米大統領の訪中、11月の深センAPEC、12月のマイアミG20などが重要な節目になるとした。そして、高市首相が「対話のドアは閉ざしていない」と語る中で、14年の北京APEC時のような劇的な緊張緩和が再現されるかどうかが焦点になると伝えた。(編集・翻訳/川尻)











